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Was Xi Jinping Irked by Kishida's Surprise Ukraine Visit?
(習近平氏は岸田文雄首相のウクライナ電撃訪問にイラついていたのか)
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ロシアとの戦争で日本に避難してきたウクライナの人たちのために、何かできることはないか―。
英語ニュースオピニオンサイト「JAPAN Forward(JF)」のチームがそんな議論をしていたところ、ウクライナの避難民たちを支援する目的でウクライナ料理店が開店したのを知った。早速、お昼を食べに行った。
店の名前は「スマチノーゴ」。ウクライナ語で「おいしく召し上がれ」という意味だ。東京・新橋のビル2階にある店に入ると、ウクライナからの避難民という女性が迎えてくれた。
店内の壁には、水色と黄色の同国国旗が描かれ、しゃれた空間だ。ウクライナ料理と和食の〝フュージョン料理〟が売りである。和風だしのボルシチやキーウ風カツレツなど、いずれもあっさりとした味に仕上がっていた。
食後、お店で働く女性たちと話すと、彼女たちは子供連れで日本で避難生活を送り、夫たちは祖国で戦っているという。祖国には一刻も早く帰りたいが、それがかなわない中、避難先の日本で働くことができ、店を企画したTAKANEさんにはとても感謝していると話していた。
それならば、彼女たちを元気づけるためにお店を借り切って子供たちも招き、JFチーム、サポーターと交流して子供たちの支援につなげるイベントができないか、店に相談してみた。結論は、不可能ではないが、かなり難しいというものだった。
子供たちは、長期化する日本での暮らしになじもうと日中は日本の学校に通って一生懸命日本語を学び、夕刻から夜には祖国ウクライナの学校のオンライン授業を受けている。子供たちの日程やお店を貸し切りにできる日、JF側の日程などを考慮に入れると、確かに簡単ではなさそうだ。
JFは考えた末、使用済みコーヒー豆を再利用して作ったマグカップをJFサポーターたちに買ってもらい、その収益を子供たちに寄付することにした。サポーター企業の一部が早速、まとめて購入する意向を示してくれている。
企画したJFのメンバーは「せっかくできた繫(つな)がりを大切にし、頑張るお母さんと子供たちを応援したい。廃物を活用して持続可能な社会づくりに取り組む企業も後押ししたい。そんな小さなことでも、私たちの思いを伝えることは大切です」と話している。
JFは、マグカップに「がんばろう ウクライナ」と印刷して販売することで、ウクライナからの避難民たちを応援していきたい。
5月19日には、主要7カ国のG7広島サミットが開幕し、各国首脳らはウクライナ戦争や近い将来起こりうる台湾有事など世界的に重大な問題について話し合う。主要国がどこまで一致してこれらの問題に臨むことができるのか、議長国・日本の真価が試される。
上の英文(日本語訳)は、米国から情報発信する中国出身の人権活動家、ジェニファー・ゼン(本名・曽錚)氏がJFに寄稿した3月28日付論考の見出しだ。同氏は、中国の習近平国家主席とロシアの「蜜月関係」は一時的なもので長続きはしないとみる。さらに、中国共産党の対日劣等感に関する分析も、今後の習政権の動きを予測するうえで重要な情報である。
JFは、G7サミットをめぐる外交戦争の舞台裏とともに、危うい隣の大国、中国の動向を世界に発信していきたい。
筆者:内藤泰朗(JAPAN Forward編集長)
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■がんばろうウクライナマグカップ(スプーン付き)を販売!
容量は370ミリリットル。1個1000円(税込)、送料1000円が別途必要。収益は「スマチノーゴ」で働く14人のウクライナの避難民家族に贈ります。お問い合わせ・お申し込みは、メールinfo@japan-forward.comまで。
2023年5月8日付産経新聞【JAPAN Forward 日本を発信】を転載しています