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最新のITやデジタル家電の見本市「CEATEC(シーテック)2021」が、昨年に続き完全オンライン形式で10月19日始まった。新型コロナウイルスの感染が長期化する中、コロナと共存する「ウィズコロナ」関連や、政府が成長戦略に位置付ける脱炭素やデジタル化に関する技術が注目だ。会期は21日までだが、展示内容は11月30日まで閲覧できる。

 

 

AI無人レジ

 

18日に報道陣に公開された参加各社の展示でまず目を引くのが新型コロナ関連だ。ワクチン接種が進み、感染も落ち着きつつあるが再流行の懸念はなお残る。

 

京セラが展示するのは人工知能(AI)を使った無人レジシステムだ。人手不足や新型コロナの流行で、コンビニエンスストアやスーパーなどでも無人レジは広く普及し始めているが、客が商品のバーコードを一つ一つ読み取る必要があるなど、手間や時間がかかるといった課題がある。

 

同社のシステムはカメラが映し出す画像からAIが商品を特定。雑然と並べられた複数の商品の金額が一度に計算できるのが特徴だ。「別の商品が上に重なっていても4割程度が見えていれば認識できる」といい、令和5年以降の実用化を目指して開発中だ。

 

シャープも同社の液晶技術を生かし、触れずに操作ができるタッチレスパネルや、感染防止のため設置されたパネルで、声が聞こえにくくなる問題を解消するマイク一体型のスピーカーなどを披露した。

 

 

曲がる太陽電池

 

政府が2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする目標を掲げたことで、各社は脱炭素関連の技術開発にも力を入れる。

 

東芝は、軽量で曲げることができる「ペロブスカイト太陽電池」をアピールする。これまでは設置できなかった強度の弱い屋根やオフィスビルの壁面などにも対応できるため、太陽光発電の設置場所の大幅な拡大が期待される。

 

三菱電機は、昨年10月に神奈川県鎌倉市に建設した実証棟「SUSTIE(サスティエ)」の内部をオンライン上で体験できる仕組みを設けた。同施設は再生可能エネルギーなどを使いビルの温室効果ガスの実質排出量をゼロにする「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」。同社によると、エネルギー消費量が多い中規模以上のビルでZEBを実現できたのは国内で初めてだという。

 

空調や照明など同社のさまざまな技術を取り入れることで実現できたといい、担当者は「既存のビルなどでも導入できる技術はたくさんあり、社会の脱炭素化に貢献したい」と話す。

 

 

デジタル化では、ソフトバンクが宇宙や成層圏からスマートフォンなどに電波を送る〝空飛ぶ基地局〟の構想を紹介。人工衛星や地上約20キロを飛ぶ無人飛行機から電波を送る構想だ。

 

また、東芝や三菱電機はデジタル化で重要となるセキュリティー対策で、次世代の「量子コンピューター」を使っても破られない最先端の暗号技術も紹介する。

 

 

筆者:蕎麦谷里志(産経新聞)

 

 

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