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台北の総統府前広場で10月10日に行われた「双十節」(建国記念日に相当)を祝う式典で、日本からやってきた「オレンジの悪魔」と呼ばれる京都橘高校吹奏楽部の生徒らが注目された。
蔡英文総統の演説後に登場し、迫力ある演奏と華麗なダンスを披露すると、観客は総立ちとなり、大きな拍手が湧き起こった。同校吹奏楽部は、マーチングバンドの全国大会で金賞を受賞したことがある強豪で、ライバル校を圧倒する技術の高さとオレンジ色の衣装から「オレンジの悪魔」と評された。
今回は、蔡氏自らが会長を務める中華文化総会の招きで訪台。一行93人は5日に台北入りし、総統府見学、ミニコンサート、地元高校生との交流イベントなど、過密なスケジュールをこなした。連日のように台湾メディアに大きく取り上げられ、台湾で「オレンジ旋風」を引き起こした。
李登輝元総統や安倍晋三元首相らの尽力で近年、日台関係は極めて良好だが、新型コロナ禍のため、盛んだった民間交流はここ2年、事実上中断していた。今月からの観光再開に伴い交流はようやく復活。その先鋒として訪台した日本の高校生たちの「元気、笑顔、夢いっぱい」のパフォーマンスは台湾の民衆を魅了した。日台交流の再開は幸先の良いスタートを切ったようだ。
筆者:矢板明夫(産経新聞台北支局長)