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岸田文雄首相によるウクライナの首都キーウへの電撃訪問は、安全確保などの理由から機密保持を徹底した上で実行した。首相は前夜のうちに宿泊先のホテルを極秘裏で抜け出し、政権幹部に連絡したのは危険性が高い空路の移動を終え、ウクライナの隣国ポーランドに入った後だった。随行は小人数の政府高官らに絞り、政府職員の大半に知らせない隠密行動を取った。
3月20日午後6時半過ぎ(日本時間同日午後10時過ぎ)、インド・ニューデリー。首相は日系企業関係者との夕食会を終えた。そのまま宿泊先のホテルに戻る首相の姿を、産経新聞社を含む複数の同行記者が確認した。
政府が事前に発表した首相の日程では、21日午前(日本時間同日午後)にニューデリーを政府専用機で出発し、帰国する予定だった。だが、首相はホテルで就寝することなく夜中のうちに、同行記者団に気づかれずにホテルを出て空港に向かった。随行者は秋葉剛男国家安全保障局長や外務省の最高幹部ら10人程度に絞られたようだ。
筆者:田中一世、広池慶一(産経新聞)