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JR東海の金子慎社長は12月15日の定例記者会見で、東海道新幹線「のぞみ」の車両を貸し切りにする「貸切車両パッケージ」の販売を始めたと発表した。減少した対面イベントの需要喚起が狙い。液晶モニターやスピーカーなど多彩なオプションサービスが用意され、社員研修から卒業旅行まで「目的地への移動段階からイベントを始めることで、旅全体の価値を上げてほしい」としている。
JR東海によると、貸し切りサービスが利用可能なのは、東京~新大阪間で運行が完結するのぞみ号で、首都圏駅(東京、品川、新横浜)と名古屋、京都、新大阪の各駅との間を利用する場合のみ。対象車両は普通車が13~16号車、グリーン車は8~9号車で、一両単位での貸し切りが可能。1~16号車の全車両を貸し切りとすることもできる。
15日からJTBかジェイアール東海ツアーズを通じて申し込める。料金は利用車両全座席分の通常料金より割安になるという。
別料金で車内の壁や各座席の背もたれへのオリジナル広告設置、専属の車内スタッフによるサービスに加え、制服の貸し出し、利用駅での駅員やサイネージによる見送り、出迎えなども利用できる。
今年春、のぞみ30周年キャンペーンで、希望する用途を募集して貸し切りサービスを実施。結婚式や高校生の卒業旅行などで使用され、その後、収益化に向けて動き出した。夏ごろから団体利用者に個別提案し、数件の利用があったが、このたび商品の販売体制が整ったとしている。
筆者:福田涼太郎(産経新聞)