プロボクシングWBA,ⅠBF世界バンダム級統一王者の井上尚弥(27・大橋ジム)がWBA3位,IBF4位のジェーソン・マロニー(29・オーストラリア)と10月31日(日本時間11月1日)に米ネバタ州ラスベガスMGMグランドで対戦する。試合は、井上にとって、WBA王座4度目,IBF王座2度目の防衛戦となる。
井上は、4月にWBO王者、ジョンリール・カシメロ(フィリピン)との3団体統一戦を行う予定だったが、新型コロナウィルスの感染拡大で、試合は一旦白紙に。井上の動向が注目されていた。
9月9日のオンライン記者会見で井上は、「いつでも試合が出来るように準備していた」と言明。新型コロナの行動制限期間中も、「自分にとっては、プラスとなった期間とポジティブにとらえ過ごしてきた」と語った。また、この試合が「プロデビューして8年が経って折り返し地点、ここが第2章(のスタート)となる一戦なので、気合を入れて次につながる良い試合をしたい」と意気込んだ。
父の真吾トレーナーも、「尚がいつもの試合通りの状態でリングに上がれば、問題なく行けると思う」と語った。不安があるとすれば、新型コロナに伴う無観客試合という点だが、「ゴングが鳴る前に、無観客をイメージして、いかに集中して、普段通りのパフォーマンスをするかがポイント」と語った。
一方、10月5日のオンライン会見で大橋会長は、「サイドステップのスピードが、著しく伸びている」と井上の止まらない進化を絶賛し、「スパーリング不足、練習不足はない」と断言した。続く15日も、「今回、(井上は)マロニーのこともよく研究している。海外での減量も3度目で慣れているので、ナーバスになっていることはない。井上には今回(マロニー戦)が、もうひとつ上の伝説への始まりだ」と語気を強めた。
10月18日、羽田空港出発ロビーに姿を見せた金髪の井上は、「1年ぶりの試合になるので、ファンの皆さんの気持ちをドネア戦のように再び熱くさせるような試合をします。テレビを見ている人たちが熱狂するような試合を見せます」と語り、ラスベガスへ飛び立った。
今年1月、JAPAN Forwardとのインタビューで、「アメリカで成功するのが、ひとつの夢であり、目標でもあります」と語った井上。ボクシングの聖地ラスベガスで、進化しつづけるモンスターの新たな挑戦の幕が上がる。
ラスベガスデビュー戦は日本では、11月1日(日)午後8時からフジテレビ系列で録画中継される。
筆者:佐藤新