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フィラデルフィア芸術委員会は10月12日(現地時間)、慰安婦像の設置が含まれた「フィラデルフィア平和広場」の建設案を条件付きで承認した。当案件は、9人で構成される委員会のうちマリオ・ジャハルジャッシュ委員が欠席のまま、8人体制で採決された。
芸術文化創造経済庁の後援を受けたこの計画は2021年2月、フィラデルフィア平和広場委員会のチョ・シンジュ委員長が慰安婦像を含む「平和広場」を新築しようと、市の芸術委員会に提出したものだ。
計画が公表されると地元住民や市民団体は、この記念碑によって生じうる潜在的な民族間紛争、そして現地の日本人および日系米国人に対する人種差別の懸念を表した。
また、米国内に限定されたいたこの問題は、日本と韓国の知識人および活動家の反対活動によってまもなく国際的問題として拡散された。抗議の一環として彼らは芸術委員会の委員らに反対意思が盛り込まれた手紙などを送ってきた。木曜日の会議でロバート・ロッシュ委員長は、ここ数月で150件のメールを受け取り、そのうち99%がこのプロジェクトに反対する内容だったと言及した。
9月9月、このような不安を解決するため、芸術委員会は公聴会を開き一般参加者にも発言の機会を与えた。 当日発言した31人のうち、約23人の発言者が案件に反対の意を示した。
特に、戦時下の性暴力の唯一の加害者として日本軍を指摘し、韓国人を唯一の被害者として指摘している慰安婦像の碑文に強い憂慮を抱いた。
木曜日の会議でカルマン・ミグエル委員は、第二次世界大戦中に起こった特定の事件はそのままとし、このような犯罪行為が人類史上普遍的に起こったという内容が碑文に追加されるよう提案した。
その反面、サラ・マッケナニ委員は既存の碑文はすでに合理的であることを示唆し、彫刻が特定の歴史的事件の犠牲者を象徴しているため「痛切で力強い」と主張した。 当日の会議に参加したデボラ・カーヒル委員も彼女の意見に賛同した。
さらにマッケナニ委員は、自らが勉強したところ、第二次世界大戦中に女性たちが「日本帝国陸軍によって強姦を強要されたのは事実」だとし、国連の調査結果がこれを裏付けていると述べた。
だが、彼女が言及した国連調査とは、1996年のクマラスワミ報告書なのか1998年のマクドゥーガル報告書(両方とも国連人権委員会発行)なのかは不明である。 いずれにせよ両報告書は、左右を問わず学者たちからその不正確さと初歩的な誤りを批判されてきた。
木曜日に開かれた会議は約30分間行われ、委員会は二つの条件付きでフィラデルフィア平和広場案を可決した。 条件は次のとおりである。1)改善された碑文に、戦時下の性暴力などが歴史的に普遍的であった説明文を追加すること。2) 碑文の翻訳とその解釈も今後の議論に含むこと。
平和広場の計画を主導してきたチョ・シンジュ氏は、これらの条件に異議なく同意した。
結果を聞いた慰安婦詐欺清算連隊共同代表の金柄憲(キム・ビュンホン)氏は、「私を含む数多くの同僚たちが平和広場の抵抗運動に深く関与してきた」と述べ、「反対意思が激し中、委員会の誰一人として賛成をためらわなかったという点で、彼らの合理性と決断過程を疑わざるを得ない」と指摘した。
ツイッターで1万4千人以上のフォロワーをもつ金氏はこのニュースを速報で伝えた。掲載時点で743回リツイートされ、954件のいいねと多数のコメントが寄せられている。
日本の市民団体からも懸念の声が高まっている。なでしこアクション代表の山本優美子氏は、「芸術委員会の委員長に膨大な反対メールが届いていたが、どれもこの決定に反映されていないようで非常に残念」と主張。
「米国の一部の都市は、第三国間の外交問題に介入し、民族紛争の温床になることを意図的に選択しているみたいだ。米国の公務員が慰安婦の歴史や学術的な談論をどの程度知っているかは謎である。しかし、確かなのは、彼らは日本と日本国民の名誉を傷つける危険な前例を作っていることだ」と懸念の声を上げた。
芸術委員会は近いうちに条件の進行状況を審査する会議を開く予定だ。もし問題なく進んだ場合、フィラデルフィア市クイーンビレッジに広場の建設が開始される見込みだ。
今回の決断より、2013年のグレンデール市に初まった、米国での7つ目の「平和の像(慰安婦像)」がフィラデルフィア市にも建てられることになった。
筆者:吉田賢司(ジャーナリスト)