Tokyo 2020 Olympic Torch Relay Start Fukushima

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東京五輪・パラリンピックをめぐり、政府や大会組織委員会は28日、観客を入場させる方向で検討を始めた。東京都などへの緊急事態宣言は6月20日までの延長が決まったが、宣言下の地域でも大規模イベントで最大5千人の入場を認める方針が維持されたことを踏まえた。組織委では、販売済みの観戦チケットを再抽選し、観客数を絞り込むシステム作りも進めており、6月下旬に具体的な観客数を決める方針だ。

 

観客をめぐっては、すでに海外の訪日客の来場を断る方針を決定。国内分に関し組織委の橋本聖子会長は今月28日の記者会見で、宣言の新たな期限後となる6月下旬にも判断する意向を示し「政府が示した(入場制限の)基準に沿って考えなければならない。大事なことは、医学的・科学的な根拠だ」と語った。

 

専門家からは、全国から観客が集まることを懸念し、大会の中止や「無観客が最低限の話」(東京都医師会の尾崎治夫会長)と指摘する声も多い。しかし、政府は5月12日以降に東京都などへの宣言を延長した際、大規模イベントについて無観客だったのを改め、「定員の50%以下」または「最大5千人」の少ない数を上限に観客を認めた。

 

以後、都内ではプロ野球などが有観客で開かれたが、クラスター(感染者集団)の発生例はない。政府関係者は「マスク着用や入退場時に密にならない対策の徹底も通じ、科学的には一定数の観客を入れても安全に開催できる」と語る。

 

菅義偉首相は28日の記者会見で、観客に関しプロ野球やサッカーJリーグを例示して「入場者数などを参考にしながら対応できると思っている」と語った。橋本氏も記者会見で「多くのチケットホルダーから、できる限り観戦したいという要望もある」と述べた。

 

今回の五輪で販売済みの観戦チケット数は、海外販売分の回収や大会の1年延期を決めた後のキャンセルなどを相殺すると、各競技場の定員の半数程度にのぼる。組織委では再抽選に備え、グループ単位の申し込みが崩れないようなシステムの構築も進めている。

 

ただ、感染が再拡大した場合などは無観客とする選択肢も残す。政府分科会の尾身茂会長は28日の衆院厚生労働委員会で「選手やスタジアムの中での感染リスクはコントロールできる」と語りつつ、「大会の開催で人流が増え、感染が拡大するリスクはある」とも指摘した。感染状況が厳しくなった場合には、開幕直前でも無観客に判断を変えることもありうる。

 

 

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