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Panasonic Holding's booth at CEATEC 2023, Chiba City, October 16. (©Yukuto Hagihara)

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アジア最大級の家電・IT見本市「CEATEC(シーテック)2023」が10月17日から20日まで、千葉市の幕張メッセで開かれた。かつて家電の展示会からの脱却を掲げ、近未来の技術展示へとシフトしたシーテックは今、「環境」というテーマを軸に新たな進化を遂げようとしている。大手企業も電機・機械メーカーを中心に環境技術を前面に押し出した展示で自社の取り組みをPRした。

 

コベルコ建機ブース。重機を遠隔操作でき、シートの傾きも再現する=10月16日午後、千葉市美浜区の幕張メッセ(萩原悠久人撮影)

 

パナソニックホールディングス(HD)は、本体として5年ぶりにシーテックに出展。展示内容は燃料電池や太陽電池を活用した工場の再エネ化や二酸化炭素(CO2)を原料とする農作物の成長剤など、すべて脱炭素を中心とした環境貢献の製品・技術に統一。同社は出展の理由を「シーテックが掲げる社会課題や環境問題の解決とわが社の事業に親和性が出てきたため」と説明する。

 

三菱電機は関西大と協力して開発したスマートフォンで遠隔操作できる小型ロボットを展示。マングローブの植林といった環境貢献の取り組みは現地の労働者が低賃金で作業を行うケースが少なくない。遠隔地からの作業を可能にすることで、誰かに負担を強いることなく誰もが環境に貢献できる社会を目指す。

 

開催を前に、報道陣に公開された三菱電機のブース=10月16日午後、千葉市美浜区の幕張メッセ(萩原悠久人撮影)

 

村田製作所は帝人の子会社とともに開発した微弱電気で抗菌する繊維に堆肥化という新たな付加価値をつけて訴求。この繊維はサトウキビなどを原料としており、微生物を使って堆肥化し農業で再利用することで、資源循環が可能になるという。

 

展示だけでなくブースのリユース・リサイクルに取り組む企業も増えている。シャープは昨年からブースの展示台に再生紙でできた段ボールを使用しており、今年は昨年の展示台を再利用している。同社の担当者は「以前は4トントラックいっぱいの廃材が出ていた。製品や技術以外でも環境負荷を低減する取り組みが重要だ」と話す。太陽誘電も展示台などの大部分にリサイクル可能な素材を使う。

 

シーテックの鹿野清エグゼクティブプロデューサーは「今年から環境を重要なテーマの一つとしている。出展内容も技術だけでなく、環境に貢献するサービスやソリューションに重点を置く企業が増えている」と話した。

 

筆者:桑島浩任(産経新聞)

 

 

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