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トヨタ自動車は、電気自動車(EV)への先進技術の積極採用で、EV市場で先行する専業の米テスラや中国の比亜迪(BYD)などを巻き返す。次世代の「全固体電池」に先駆け、2026(令和8)年以降に航続距離の向上とコスト低減を両立した新型電池も実用化する。三菱重工業と共同で、ロケットの極超音速技術の車の空力性能への応用も検討。ソフトの更新による多機能化の新技術も順次、商品化する構えだ。
「90%はみせていい」
トヨタは6月8日、中嶋裕樹副社長がそう指示した技術説明会を東富士研究所(静岡県裾野市)で開いた。開発中の新車両の試乗も含めて30以上の先進技術を一挙に報道関係者らに披露した異例のイベント。そこにはEVシフトの市場変化に迅速に対応するための「改良」と、今後の競争をリードするための「革新」の2段構えの周到な備えがあった。
筆者:池田昇(産経新聞)