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サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会決勝トーナメントで、日本は6日クロアチア戦に敗れたものの、1次リーグの快進撃は世界から称賛を浴びた。特にスペイン戦では、三笘(みとま)薫選手のゴールライン際のプレーが光ったが、この判定を支えたのが、ソニーグループ傘下の英ホークアイ・イノベーションズが提供する映像再生技術だ。公正で分かりやすい判定を支援し、大会に貢献している。
複数のカメラ映像などから判定を支援する「ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)」は、見極めの難しいプレーの際に登場する「機械の目」だ。
VARが注目を浴びたのは、日本時間2日の日本対スペイン戦。後半6分、三笘選手がゴールラインを割りかけたボールに食らい付き、勝ち越し点をアシストした。ラインを割ったか微妙なプレーだったが、VARでラインにわずかにかかっていることを確認。得点が認められ、〝三笘の1ミリ〟と絶賛された。
VARに用いられているホークアイの映像再生技術は、スタジアム内に設置された複数の中継用カメラでさまざまな角度から撮影された映像を基に、判定対象となるプレーの映像を再生する。映像の巻き戻しやスロー再生、拡大も可能で、審判の判断材料となっている。
今大会では、新たに採用された別の企業が開発したボールに内蔵されたセンサーチップでボールなどの位置を人工知能(AI)で把握するシステムも組み合わさり、ミリ単位の判定をサポートしている。
ホークアイの技術を用いたVARは、W杯では2018(平成30)年のロシア大会から導入された。ソニーの担当者は今大会に関しては導入の有無について明言を避けているが、関係者によると、今大会でも前回大会同様にホークアイの技術が使用されているという。
ホークアイの技術はJリーグでも用いられており、昨年のシーズンから本格導入している。また、テニスのウィンブルドン選手権や、日本開催となった19年のラグビーW杯などの他競技においても同社の技術の導入が相次いでいる。
ソニーの担当者は「今後は判定に限らず、スポーツエンタテインメント向けのコンテンツでも貢献していきたい」と話している。
筆者:今仲信博(産経新聞)