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World Scholar's Cup: JAPAN Forward's Student Journalist Advances to Finals
(JAPAN Forward高校生記者、“学問”のW杯決勝に進出)
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日本を、世界に発信する-。英語ニュース・オピニオンサイト、JAPAN Forward(JF)が約7年前に発足して以来、JFが掲げる最重要の活動目的である。これまで本紙の主要記事や主張などを翻訳し掲載するほか、他のメディアが取り上げない慰安婦問題といった歴史に関する記事、オリジナルのインタビュー記事、論評、ルポなどを通じてさまざまな分野の日本の声を毎日、世界に届けている。
だが、先日、そうした情報の発信とともに、重要なことに改めて気づかされる出来事があった。
上の英文(日本語訳)はそのことに気づくきっかけとなったJF記事の見出しである。中学生のころからJFに投稿し、現在、高校1年生のJF学生記者、前田望亜さん(16)=千葉県在住=が、60カ国以上の中高生が競う“学問”のW杯(WSC)に友人2人と挑戦し、見事、国内の予選とバンコクで行われた世界大会を勝ち抜き、決勝に進出したというニュースである。
しかし、来月、米国の名門、イェール大学で行われる決勝に出るには、渡航費や滞在費など1人当たり90万円ほどが必要だ。実は、前田さんは昨年もWSCに出場し、決勝進出の権利を得ながら、資金がなく涙をのんだ。今回は物価の急上昇と円安のダブルパンチで絶望しかけたが、クラウドファンディングで支援を呼び掛けたところ、19日現在で25人が支援。100万円余りの寄付が集まり、資金的な準備は整った。JFもその一部を支援した。
前田さんは早速、夢の実現のために協力した支援者たちに、決勝での活動報告を約束した感謝のメッセージを送った。
世界から2万人以上の中高生が参加するWSCは、論戦や論理的思考が試される作文の執筆に加え、クイズ形式で深い教養も問われる。他国の中高生たちとの交流や日本文化の発信といった独自性や協調性も多角的に試されるという。世界の若者たちが知力とチーム力を尽くし切磋琢磨する場は、まさに若者たちのアカデミックW杯といえる。
しかも、それらすべてが英語で行われる。前田さんたち3人の日本チームがどんな頂上対決を展開し、日本を世界にアピールするのか。また、どんな発見があり、どんなドラマが生まれるのか。物語はすでに始まっている。JFは、前田さんのリポートを英語と日本語で載せたいと考えている。
世界は、残念ながら新たな分断の時代に向かって突き進んでいる。だからこそ、和を以(もっ)て貴しとなす日本の考え方や価値観を正しく伝える努力が必要だ。欧米諸国に迎合し、ただ追随するだけではなく、日本の価値を理解し、世界と繋がり、仲間をつくっていくことができる若者たちが日本には求められている。
日本についての正しい情報発信は、JFの重要な使命だ。その使命を果たすには、日本を愛し、しなやかに世界と繋がり、競争できる若者たちを育成することが重要であることを今回改めて気づかされた。結局、日本の価値を高め、日本、そして世界の安全保障を強化するのは、日本を大切にする人がいるかどうかにかかっている。
JFは、コロナ禍の前まで、やる気のある大学生たちに記事を書いてもらい、自らを磨く経験をしてもらうインターンを実施していた。コロナ禍以来中断しているインターンは今後、さらにアップグレードして再開する計画だ。
「天は自ら助くる者を助く」-。この西欧の格言ではないが、JFは、自ら努力し頑張る若者たちが活躍できるプラットフォームとなることで、日本の未来を築く若い才能を応援していきたい。
筆者:内藤泰朗(JAPAN Forward編集長)
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2023年10月23日付産経新聞【JAPAN Forward 日本を発信】を転載しています