米ホワイトハウスでの米・ウクライナ首脳会談は前代未聞の仰天劇となった。この事例を日本に重なる課題ととらえることが大事である。

トランプ米大統領(中央)とバンス米副大統領(右)がウクライナのゼレンスキー大統領と激しく口論した=2月28日、米ホワイトハウス(ゲッティ=共同)
This post is also available in: English
2月28日、米ホワイトハウスでの米・ウクライナ首脳会談は前代未聞の仰天劇となった。この事例を日本に重なる課題ととらえることが大事である。
会談でバンス米副大統領がウクライナのゼレンスキー大統領を、「トランプ大統領に対する感謝の言葉がない」と非難し、トランプ氏は「君は第三次世界大戦を起こしかねないギャンブルをしている」と、興奮口調でなじった。
そもそも今回の訪米はウクライナの膨大な鉱物資源開発について、両国が2月26日に合意した文書に署名するためだった。大目的達成を目前にした決裂は、トランプ氏の言動の予測困難性は目標達成のための戦略ではないということか。トランプ氏の強みであるはずの予測困難性は、トランプ氏自身も翻弄され得る厄介な性癖ということか。こんなことにも世界は注意しなければならない。
筆者:櫻井よしこ(ジャーナリスト)
◇
2025年3月3日付産経新聞【美しき勁き国へ】より
This post is also available in: English