高知大などのチームが世界で初めて、火星の地下に地下氷が豊富にある場所を特定することに成功した。有望な着陸候補地になり、世界各国の火星探査計画に大きな影響を与える研究成果となる。

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火星の地下には、大量の水が「氷」の状態で存在するとみられているが、実際にどこにあるのか、具体的な場所は分かっていなかった。だが、高知大などのチームが最近の研究で、地下氷が豊富にある場所を高精度に特定することに世界で初めて成功した。氷や水は、人類が将来的に火星の有人探査を行う際、燃料や飲料水として利用できる。そのため、地下氷が豊富な場所は有望な着陸候補地になるという。世界各国の火星探査計画に、大きな影響を与える研究成果となりそうだ。
クレーターの底に氷が露出
火星は、現在の表面の地形や鉱物の分布などから、約40億年前には北半球に、水を豊かにたたえた海が存在していたと考えられている。南半球は、山や高地が中心の地形だったとみられる。ただ、現在の火星の表面は極寒で乾燥した環境であり、冬に雪は降るが、地表に液体の水は存在せず、まるで赤い砂漠のような状態になっている。
筆者:伊藤壽一郎(産経新聞)
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2025年3月2日産経ニュース【クローズアップ科学】より
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