South Korean President Moon Jae-in attends a ceremony commemorating the 70th anniversary of the Korean War at Seoul Air Base in Seongnam

South Korean President Moon Jae-in attends a ceremony commemorating the 70th anniversary of the Korean War at Seoul Air Base in Seongnam, South Korea, June 25, 2020. Yonhap via REUTERS ATTENTION EDITORS - THIS IMAGE HAS BEEN SUPPLIED BY A THIRD PARTY. SOUTH KOREA OUT. NO RESALES. NO ARCHIVE.

 

 

7月10日に明らかになった朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長の自殺は韓国社会に衝撃を与えている。元女性秘書に対するセクハラ疑惑が原因とみられている。韓国では先に釜山市長がセクハラ事件で辞任しており、首都と第2の都市のトップがいずれも女性がらみの“不祥事”で空席になるのは国際的にも前代未聞の事態だ。

 

2人とも左翼・革新派の与党系だったが、特に朴ソウル市長の場合、人権派弁護士出身でリサイクル運動などの市民運動家として知られた。以前から慰安婦問題には女性の人権問題ということで関心が強く、市長時代には“慰安婦記念公園”を造るなど反日傾向が目立った。

 

今回、2009年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の自殺を思い出した。やはり人権派弁護士出身で革新系の若手政治家として人気があったが、夫人の金銭疑惑で退任後、検察の捜査対象になったため自
殺した。人権や弱者保護、清潔さなどいわゆる「道徳性」が看板の左翼・革新勢力の偽善というか、いい加減さの問題だ。

 

これは公正・平等・正義が看板の文在寅(ムン・ジェイン)政権にもいえる。その一端は昨年、大統領側近の“チョ・グク・スキャンダル”で暴露されたが、このところ権力に抵抗する検察を手なずけるのに血眼になるなど、反省が見られない。今回の教訓は文政権へのアラーム(警報)と見るべきだろう。

 

筆者:黒田勝弘

 

 

2020年7月11日付産経新聞【ソウルからヨボセヨ】を転載しています

 

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