戦場での過酷な体験で兵士らを悩ませるトラウマ。米国在住の日系3世、タケシ・フルモト氏が、終結から50年を迎えたベトナム戦争当時の記憶をたどった。

Shoko Ikeda
Shoko Ikeda is a staff writer for The Sankei Shimbun based in the Tokyo headquarters office.
1942年、南太平洋のソロモン諸島・ガダルカナル島での日米両軍の戦いは、先の大戦で日本が初めて撤退を強いられ、戦局の分水嶺になった。敗北を決定づけたのは、陸軍と海軍の意思の齟齬、日本軍としての統率のなさだった。
1939年、当時の満州国と外蒙古の国境線で起きたノモンハン事件。日本とソビエト連邦をそれぞれ後ろ盾とした戦闘は、日本軍が直面した大規模な近代戦だった。その「失敗」が両軍にとって転換点となった。