
無人カートを走らせる実証実験のイメージ
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人手を使わず荷物が運べる自動物流道路の実現に向け、国土交通省が11月、茨城県つくば市の国土技術政策総合研究所で初の実証実験を始めることが29日分かった。荷物を積んだ無人カートの走行性能を運送、通信関連の民間事業者と共同で検証。トラック運転手の不足が続く中、早期の実用化を目指す。

自動物流道路は、高速道路の中央分離帯や地下に専用レーンを設け、無人カートを走らせる構想。東京―大阪間を結ぶことを見据えている。
実験場所は、研究所にある全長700メートル、幅7メートルの試験用トンネルを想定している。複数のカートを同時に走らせたり、落下物をよけたりするなど複数の場面を設定。荷物の重さに応じた加速、停止にかかる時間や距離を調べ、路面の凹凸による振動が荷物に与える影響などを確認する。
トラックからカートに自動で荷物を積み替える技術も検証する。
国交省によると、自動物流道路の工費は現在の技術で、地上部は10キロ当たり254億円、地下トンネルは70億~800億円に上るとの試算がある。民間資金での整備を念頭に置いており、国交省は5月、自動物流道路の運営や利用に関心を寄せる事業者と協議会を設置した。
建設中の新東名高速道路の新秦野(神奈川県)―新御殿場(静岡県)でも、2027年度以降にカートの走行実験をする計画がある。
(産経新聞)
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