大阪万博会場内の飲食店では、使用食材が絵文字「ピクトグラム」で表示される。外国人の多様な食文化に対応する。
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万博会場の飲食店で表示されるピクトグラム©FOODPICT Inc.&NDC Graphics

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4月13日に開幕する2025年大阪・関西万博会場内の飲食店では、使用食材が絵文字「ピクトグラム」で表示される。イスラム教徒やベジタリアン(菜食主義者)など外国人の多様な食文化に対応するためで、関西経済連合会を中心に企画してきた。

言葉が分からなくても絵を見ただけで情報が伝わるピクトグラムは、1964年の東京五輪をきっかけに世界に広まったとされる。

関経連は2021年、多様な心情や考えの観光客が安心して食事できる環境づくりを目指し、飲食や旅行業者と「食の多様性推進ラウンドテーブル」を発足。万博会場でのピクトグラム表示に向けて、飲食店で外国人の識別率を測るなど実証実験を重ねてきた。

2025年大阪・関西万博会場=大阪市此花区(ドローン使用、沢野貴信撮影)

万博会場でのピクトグラムには神戸市の企業、フードピクトが作成した38種類を採用。大阪外食産業協会のパビリオンをはじめ、希望する飲食店が、牛や豚、鶏といった肉類のほか、甲殻類、卵、牛乳、アルコールなどの食材をピクトグラムでメニューに表示する。万博に先立ち、大阪市内のホテルなどですでに使用されている。

ラウンドテーブルの関係者は「海外に比べると日本は食の多様性がないといわれている。万博を機に、インバウンド(訪日客)が多い大阪で食のピクトグラム表示を根付かせたい」と意気込む。

万博は4月13日から半年間、大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)で開催。計約2820万人の来場を見込み、このうち外国人は約350万人を想定している。

筆者:井上浩平(産経新聞)

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