
Customer picking up Nintendo Switch 2 at an electronics retailer — June 5 morning, Naniwa Ward, Osaka (©Sankei by Kotaro Hikono)
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約8年3カ月ぶりとなる任天堂の新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ2」が6月5日、発売された。任天堂は初年度の販売台数を世界で1500万台と予想するが、需要がはるかに上回っており、ほしい人に行き渡るのは来春ごろになるとの見立てもある。専門家は「1億5千万台売れたスイッチを超える可能性は十分ある」と分析する。
スイッチ2は画面サイズが7・9インチと大きくなり、なめらかな表示も可能となった。テレビ画面には高精細な4Kでの出力できるなど、順当に性能がアップ。ボイスチャットなどの新しい機能も追加された。
価格は国内向けが4万9980円、多言語対応モデルが6万9980円。5月の決算会見で古川俊太郎社長は「スイッチと比べて販売価格が高いため、早期普及には相応のハードルがある」と話していたが、公式ストアの第1回抽選には日本だけで220万人が応募し、落選する人が続出。家電量販店などの抽選にも応募が殺到して争奪戦となっている。
性能の向上や部品の高騰に伴いゲーム機の価格が上昇していることから、スイッチ2は想定より安いと考える人が多かったようだ。任天堂も「スイッチ2の粗利率はスイッチより低い」と説明しており、早期普及のためにぎりぎりまで価格を抑えたとみられる。

任天堂の2026年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比63・1%増の1兆9千億円に対し、純利益は7・6%増の3千億円にとどまる。本体普及後に利益率の高いゲームソフトなどの販売を伸ばす計画だ。
スイッチ2が発売されたこの日は、全国の家電量販店で抽選販売に当選した人への受け渡しが始まった。ジョーシン日本橋店(大阪市浪速区)では当日販売がなく予約商品の引き渡しのみだったが、開店の午前10時前から受け取りに来た約20人が列をつくった。
この日のために有給休暇をとった会社員や孫のために応募した男性が笑顔で商品を受け取った一方、フリマサイトには高額転売とみられる出品が相次いだ。多言語対応モデルが20万円前後で出品されるケースもあった。
任天堂は公式ストアの抽選応募に一定の条件を課したり、フリマサイトの運営会社と連携したりして転売対策に力を入れているが、完全に転売を防ぐのは難しいようだ。
ゲーム業界に詳しい東洋証券の安田秀樹シニアアナリストは「コストがかさむが空輸を使えば今年度の販売台数を2千万台まで引き上げられるだろう。最終的にスイッチ以上に成功する可能性はある」と話した。
筆者:桑島浩任(産経新聞)
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