
成年に当たり、記者会見される秋篠宮ご夫妻の長男、悠仁さま=3月3日午後2時7分、東京・赤坂御用地内の赤坂東邸(代表撮影)
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秋篠宮皇嗣殿下のご長男で、皇位継承順位第2位の悠仁親王殿下が3月3日、ご成年にあたり初の記者会見に臨まれた。
親王殿下は、今後の抱負について、「成年皇族としての自覚を持ち、皇室の一員としての役割をしっかりと果たしていきたいと思っております」と述べられた。
親王殿下は将来、皇位を継がれ、第128代の天皇となられる。その重いお立場を、誠実に受け止めておられるご様子がうかがえた。とても頼もしく、ご成年を国民挙(こぞ)って寿(ことほ)ぎたい。

親王殿下は昨年9月に18歳の成年になられたが、記者会見などは高校ご卒業まで延ばされていた。親王殿下は、今回の会見の冒頭、岩手県の大規模山林火災を案じられるとともに、皇室の在り方について「天皇陛下のお考えのもと、人々の暮らしや社会の状況に目を向け続けていくことが重要であると思います」と語られた。

天皇陛下も、当時の成年である20歳のお誕生日を前にした昭和55年2月、初の会見に臨まれている。記者から「皇孫のお立場」について聞かれた陛下は、国民の幸福を願い続けた昭和天皇にならいたいとし、「日本をもっとよく知りたい、多くの人を理解したいと考えています」と述べられた。
親王殿下も同じようなお心なのだろうと拝察する。16歳のお誕生日の翌月、令和4年10月にはお一人で伊勢神宮を参拝された。

筑波大学ご進学が決まった後の今年2月には、シベリア抑留などの歴史を伝える舞鶴引揚記念館(京都府)を視察され、同世代の学生や当時を知る高齢者らと懇談された。親王殿下は将来の天皇としてのご経験を着々と積んでいらっしゃる。
思い起こすのは、平成23年に行われた、一般の七五三にあたる「着袴(ちゃっこ)の儀」だ。5歳の親王殿下はご在位中の上皇、上皇后両陛下から贈られた、襟元に十字の綴(と)じ糸がある装束をまとって儀式に臨まれた。これは天皇と皇太子の装束と同じ仕立てで、将来皇位を継がれることを前提にした装いといえる。

今年9月6日には、天皇陛下が親王殿下に冠を授けられる「加冠の儀」など重要な成年式が執り行われる。
親王殿下が成年皇族としての一歩を踏み出されることを、心から感謝したい。
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2025年3月4日付産経新聞【主張】を転載していますimbun
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