USJの新社長に就任した村山卓氏が産経新聞などの合同インタビューに応じ、アニメやゲームの新たなコンテンツを題材にしたアトラクションやエリアの開発に意欲を見せた。
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新しいアトラクションやエリアの開発に意欲を見せるユー・エス・ジェイの村山卓新社長=大阪市此花区

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テーマパークのユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市此花区)の運営会社、ユー・エス・ジェイ(同)の新社長に1日付で就任した村山卓氏(53)が5月31日までに産経新聞などの合同インタビューに応じ、アニメやゲームの新たなコンテンツを題材にしたアトラクションやエリアの開発に意欲を見せた。USJと隣接する人工島・夢洲(ゆめしま)(同)で開催中の大阪・関西万博については、大阪や関西の観光が成長するための「重要な試金石」との見方を示した。

同社で日本人がトップに就くのは21年ぶりで、初の生え抜き社長。村山氏は今後のUSJについて「どんなIP(知的財産)を利用するか慎重に考えたい」と述べた。

東京ディズニーリゾート(TDR、千葉県浦安市)がミッキーマウスを中心にディズニーの世界を表現しているのに対し、USJは国内外のアニメやゲームが入り交じる「ごちゃ混ぜ」が特徴だ。

日本や海外のIPをどのようなバランスで取り入れるかについて、村山氏はUSJで2021年に開業した任天堂ゲームの世界を表現したエリア「スーパー・ニンテンドー・ワールド」を例に挙げ、「グローバル(世界)で人気があり、息の長いIP」を重視する考えを示した。

また「国ごとに人気のコンテンツがある」とも述べ、定期的に実施している市場調査を踏まえて「どんなアトラクションやエリアが望まれているか考え、市場に合った開発をやっていこうと考えている」とした。

インタビューに答え、USJの今後の戦略を語る村山氏

米テーマエンターテインメント協会が昨年8月に発表した世界のテーマパークの23年来園者数で、USJは2年連続で世界3位にライクイン。前年比29・6%増の1600万人となった。

村山氏がインバウンド(訪日客)セールス担当ディレクターだった09年当時は海外でUSJの認知を広げるのに苦労したといい、「中国大陸では本当に知られていなかった」と振り返った。

現在のUSJはIPの魅力に加えて「クリスマスやハロウィーンといったシーズンごとに全く違うテーマパークに思うほど新たな発見があり、そのゲストサービスは従業員の努力の上に成り立っている」などと来園者数の伸びを分析した。

さらにUSJが選ばれるテーマパークになり続けるには「大阪や関西が(観光の)目的地として選ばれることが重要」と強調した。

万博を通じて「観光のポテンシャルがどうなのか、課題はどこかがよく分かるはず」と指摘。夢洲で30年秋に開業が計画されているカジノを含む統合型リゾート施設(IR)なども含め、関西の観光が一層成長するための「試金石になる」と語った。

筆者:田村慶子(産経新聞)

■村山卓(むらやま・たく) 1999年10月、米ウェブスター大院修了。2000年ユー・エス・ジェイ入社。マーケティング&セールス部などを経て20年4月に執行役員副社長CMO(最高マーケティング責任者)。25年6月1日付で社長。東京都出身。

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