20240229 Immersive Fort Tokyo 001

Participants become witnesses to murder mysteries in the immersive attraction "The Sherlock." February 29, Koto Ward, Tokyo. (©Sankei by Yoshinori Saito)

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西武園ゆうえんち(埼玉県所沢市)やハウステンボス(長崎県佐世保市)の再生を手がけたマーケティング会社の刀(大阪市)は3月1日、東京・台場に新テーマパーク「イマーシブ・フォート東京」を開業した。用意されたアトラクションはすべて〝イマーシブ(没入感)〟に特化しており、鑑賞者ではなく当事者としての体験を楽しめるよう工夫している。中世ヨーロッパ風の街並みを再現したパーク内で、突発的に起きる事件に巻き込まれるような感覚を味わえるのが特徴だ。

 

パーク内で突如起きるマフィアとスパイの争いに巻き込まれることも=2月29日午前、東京都江東区(斉藤佳憲撮影)

 

物語の当事者になれる体験

 

没入とは、非現実空間に実際に当事者の目線で入り込む体験をさす。テーマパークでその目玉となる「ザ・シャーロック ベイカー街連続殺人事件」は、19世紀のロンドンの街を再現した2階にわたる約3000平方メートルが舞台だ。参加者は名探偵シャーロック・ホームズが活躍した世界に迷い込むという設定で、連続殺人事件に遭遇する当事者感覚を楽しめる。

 

登場人物は総勢約50人。参加者は渡される特別なバンダナで顔を覆い、「アノニマス(その場に存在しない存在)」として舞台を自由に歩き回ることができる。探偵や刑事、容疑者などさまざまな登場人物についていくことが可能で、同時多発的に起きる事件に色々な立場で遭遇でき、自分だけが特別な瞬間に立ち会えたりもする。ときには登場人物に話しかけられたり、犯人になったりすることもあるという。

 

また、複数人でグループを組んで挑戦するアトラクションでは、専用端末を使って施設から脱出する「第五人格 イマーシブ・チェイス」や猟奇的殺人鬼から逃げるホラー体験「ジャック・ザ・リッパー ホワイトチャペルの殺人鬼」を用意。パーク内で突発的に起きるマフィアとスパイの争いに巻き込まれるショー「スパイ・アクション!」や、「推しの子」「東京リベンジャーズ」といった人気アニメを活用したものなど合計12の没入アトラクションが体験できる。

 

アトラクションの世界に没入体験ができる=2月29日午後、東京都江東区(斉藤佳憲撮影)

 

「従来では味わえないドキドキ感」

 

開業を前に報道陣に公開された2月29日のオープニングセレモニーで登壇した刀の森岡毅最高経営責任者(CEO)は、「(イマーシブ・フォート東京は)従来のテーマパークでは得られなかったハラハラ、ドキドキ感の度合いが違う。一期一会の感動がそこにはある」と強調した。「イマーシブ体験にピンと来ない人にぜひ、来てもらいたい」とも呼びかけた。

 

チケットはフリーパス制で、大人6800円~、子ども3000円~。営業時間は午前11時~午後8時(終了時間は日によって異なる)。飲食店4店、物販2店があり、各アトラクションの開催回数や時間は日によって異なる。

 

イマーシブ・フォート東京は、2022年3月に閉館した商業施設「ヴィーナスフォート」を居抜きでテーマパークに改修した。中世ヨーロッパの街並みを再現した特徴的なデザインをそのまま生かした。

 

筆者:西村利也(産経新聞)

 

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