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【10月17日更新】ポーランドの首都、ワルシャワで開催中の「第18回ショパン国際ピアノ・コンクール」の3次予選の結果が10月16日発表され、山口県出身の小林愛実(26)と東京都出身の反田恭平(27)が18~20日に行われる本選への進出を決めた。小林は前回、2015年もファイナリストとなった。本選は、コンクールの公式YouTubeチャンネルでライブで視聴できる。
本選は、日本から小林、反田の2人のほか、地元のポーランドやイタリア、カナダ、スロベニア、スペイン、アルメニア、韓国、中国のピアニスト計12人で争われる。
これまでの経緯
同コンクールは1次予選に出場することすら容易ではない。12日間に渡る予備予選で151名のうち1次予選の出場資格を得たのは、中国22名、ポーランド16名、日本14名、韓国7名、イタリア6名を含む計87名。さらに1次予選(7日に結果を発表)を経て45名に絞られた。
日本から2次予選に進んだのは、沢田蒼梧、進藤実優、反田恭平、角野隼斗、牛田智大、古海行子、京増修史、小林愛実の8名だ。
12日には2次予選の結果が発表され、進藤実優、反田恭平、角野隼斗、古海行子、小林愛実の5名が3次予選に進んでいた。
コンクールの模様は予選から、ポーランド国立ショパン研究所の公式YouTubeチャンネルほか、多くのSNS、またコンクールの出場者やファンのツイッター等でも様々な角度から発信されており、以前にも増してコンクールを楽しむ層が広がっているようだ。
登録者数が83万人を超える人気ユーチューバーピアニスト、角野隼斗のエントリーにより、同コンクールの日本での注目度が高まっているとも言えるかもしれない。また、ピアノレスナーにとっても「YouTube動画配信は演奏者の手元や表情まで間近にはっきり見ることができるので、実際に会場で見るよりも為になるし面白いかもしれない」と評判だ。
同コンクールは、第一次世界大戦後間もない1927年に始まり、第2次世界大戦の空白期を経て、戦後もマルタ・アルゲリッチ、マウリツィオ・ポリーニ、スタニスラフ・ブーニン等のスターピアニストを数多く輩出してきた不動の地位を持つ。現存するコンクールとして最長の歴史を誇り、若手ピアニストの登竜門として名高い。
5年に一度開催される同コンクールもコロナ・パンデミックの影響を受け、2020年は延期となったが、今年の開催は許された。
2次予選(10月9〜12日)、3次予選(同14〜16日)の後、ショパンの命日に当たる同17日に聖十字架教会で持たれる追悼ミサを挟み、本選(同18〜20日)に進んだのは12名。ショパンを愛する熱い思い、血の滲むような努力と若い才能が炸裂する。
これまでの日本人の最高位は1970年(第8回)、内田光子による2位入賞。前回の1位は初の韓国人優勝者のチョ・ソンジンだった。アジア勢の活躍が目覚ましい昨今、初の日本人優勝者が出るのか大いに期待したい。
著者:JAPAN Forward
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