New Dinosaur Discovery in Uzbekistan 001

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ティラノサウルスが繁栄するより前の時代に、生態系のトップに君臨していた大型肉食恐竜の新種をウズベキスタンで発見したと、筑波大と北海道大などの研究チームが発表した。8日、英科学誌に論文が掲載された。大型化する前のティラノサウルスの仲間と同じ時代に共存していたことも分かり、肉食恐竜の進化の歴史に迫る新証拠だという。

 

見つかったのは、カルカロドントサウルスの一種で、首都タシケントの博物館に収蔵されていた化石を調べたところ、新種だと判明した。15世紀にウズベキスタン周辺を統治していたティムール王朝の君主で、天文学者、数学者でもあったウルグ・ベグにちなんで、「ウルグベグサウルス・ウズベキスタネンシス」と名付けられた。

 

 

化石は上あごの骨の一部で、大きさは長さ約24センチ、高さ約13センチ。似た種類の恐竜と比較して推定すると、新種は全長7・5~8メートル、体重は1トン以上と考えられるという。

 

カルカロドントサウルスはジュラ紀の終わりから後期白亜紀の始め頃まで生態系の頂点に君臨していた。最大で全長13メートルに達する肉食恐竜だ。後期白亜紀の半ばまで小型種が多かったティラノサウルスの仲間が大型化して覇権を奪うと、カルカロドントサウルスは北半球から姿を消し、南半球だけで繁栄したとされる。

 

「交代劇」は9400万年前から8400万年前に起きたとされるが、この時期は世界的に陸上動物の化石の発見が少ない「空白の1千万年」とされており、覇権が移った経緯は明らかになっていない。

 

今回調査した化石は約9000万~9200万年前の地層から発見された。同じ地層からはまだ小型だったティラノサウルスの仲間の化石が発見されているため、カルカロドントサウルスが覇権を握りつつ、両者が共存していたことが分かる。

 

両者が共存していた証拠は、これまでに英国と米国で発見されており世界で3例目。アジアでは初めてで最も新しい時代の証拠となる。空白期間を短縮する発見だという。

 

残る空白期間に相当する地層は長崎県や熊本県などにもあり、研究チームは今後、日本も含めてアジアを中心に研究を進める。筑波大の田中康平助教は、「空白期間を埋める研究が重要だ。広くアジアを調査し、肉食恐竜の攻防を明らかにしたい」と話した。

 

 

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