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「ジョン・レノン没後40年」分断の時代に心響くメッセージ 夫婦愛の形に若者共感

Toshikazu Okada

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英バンド、ビートルズのメンバーだったジョン・レノンが40歳で亡くなって、8日で40年を迎える。世界中で、人種差別や経済格差などによる社会の分断が進むなか、国境も宗教も超えた理想郷を夢見た彼のメッセージは、ますます重みを増す。一方、ロックスターでありながら家庭に入って「主夫」をこなし、妻のオノ・ヨーコさん(87)と世界平和を訴えた独特の生き方にひかれる日本の若い世代も多い。生誕80年にもあたるメモリアルイヤーに、ジョンはひときわ、輝きを放つ。

 

 

強烈なメッセージ

 

生きていれば80歳の誕生日だった10月9日。米ニューヨークのセントラル・パークにあるジョンにささげた記念エリア「ストロベリー・フィールズ」には大勢のファンが集結。記念碑の周辺でジョンの代表曲「イマジン」やビートルズの「イン・マイ・ライフ」などを歌って追悼した。

 

欧米メディアは「死後40年経っても、彼の音楽と平和活動家としてのメッセージは今も大衆を楽しませ、刺激し続けている」(米ABCニュース電子版)などと功績を称賛。ジョンの妹ジュリア・ベアードさんは英スカイニュース(電子版)に「彼の功績は、反戦や平等、ダイバーシティー(多様性)といった今日も議論されている問題を訴え続けたことだ」と振り返った。

 

11月末に自著「ジョン・レノン伝 1940-1980」を出版したビートルズ研究家の藤本国彦さん(59)は「ジョンが『イマジン』で訴えた、差別も戦争もない理想郷をともに築こうといった熱いメッセージは、さまざまな局面で“分断”が顕在化する今の欧米で重みを増している」と指摘する。

 

 

妻の影響で主夫に

 

ビートルズは1962年にデビューしたが、それ以前の57年に母体となるバンドを結成したのがジョンだった。「英リバプールという海の男の港町で育ったジョンは、マッチョな体育会系のノリの人物だった」と藤本さん。

 

そんなジョンを変えたのが、日本人前衛芸術家のヨーコさんだった。前妻のシンシアさんは亭主の3歩後ろを黙って歩くタイプだったが、ヨーコさんは逆。保守的な価値観にとらわれず、当時はまだ珍しかった前衛芸術にも造詣(ぞうけい)が深かった彼女にジョンはひかれた。

 

「ヨーコと出会って間もないころ、『家で新聞は、まず男が先に読むものだ』と言い放つジョンに、ヨーコが『じゃあ、2部取りましょう』と返したとのエピソードがあるぐらい」と藤本さんは指摘する。

 

ジョンは70年のビートルズの事実上の解散以降は特に、そんなヨーコさんに心酔した。二人三脚でソロ活動を本格化させ、政治運動に関わった。当時は極めて珍しかった主夫業にもいそしんだ。藤本さんは「10代半ばで母を亡くしたジョンにとって、自分より7歳年上だったヨーコは妻であり母でもあった」とみる。

 

 

理想の2人

 

ジョンの生誕80年に合わせて、来年1月11日まで東京のソニーミュージック六本木ミュージアムでは「ダブル・ファンタジー ジョン&ヨーコ」展が開催されている。

 

宣伝担当の中村まきさんによると、意外にも当時を知らない20代のカップルが目立つという。「『イマジン』を聞いて、争い事につながる利己的な考えを直さなければと思った」「ジョンとヨーコのような夫婦のあり方や生き方に共感した」などの感想が寄せられた。夫が主夫として妻を助ける姿に現代の理想の夫婦像を感じる一方で、かつての反戦や反権力といったイメージは薄れているという。

 

世界平和を訴えた名曲で、ヨーコさんの詩集「グレープフルーツ」(64年)から着想を得て作られた「イマジン」。英語の教科書などでこの楽曲を知った日本の若い世代は、ロック音楽と政治的な問題を切り離し、新たな視点でジョンとヨーコさんを評価しているようだ。

 

筆者:岡田敏一(産経新聞)

 

 

■ジョン・レノン

1940年10月9日、英リバプール生まれ。62年から70年まで活動したビートルズのギター奏者兼ボーカリスト。ビートルズ時代の68年にソロ活動を開始。69年にオノ・ヨーコさんと結婚し、2人で音楽を通じて反戦・平和運動に尽力。「イマジン」「ジェラス・ガイ」「平和を我等に」などの名曲を生み出した。80年12月8日、米ニューヨークの自宅アパート前で射殺された。40歳だった。

 

 

この記事の英文記事を読む

 

 

Mr. Toshikaza Okada is a senior staff writer of the Sankei Shimbun Culture News Department at Osaka HQ office.

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