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【主張】ラグビーW杯閉幕 この興奮を「次」につなげ

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日本列島を興奮させたラグビーのワールドカップ(W杯)は、南アフリカの3度目の優勝で幕を閉じた。南アは準々決勝で日本代表が死闘の末に敗れた相手だ。改めて、わが日本の代表チームは本当の強者と戦ってきたのだと思い知る。

 

これほどの大会の成功は予想できなかった。日本代表は強豪ぞろいの1次リーグを4戦全勝で8強入りし、世界を驚かせた。スコットランドを破った試合中継の瞬間最高視聴率は、50%を超えた。

 

チケットの販売率は約99%に達し、日本戦以外の外国同士の対戦でも、スタジアムはどこもほぼ満員だった。試合のライブ中継を楽しめる「ファンゾーン」の総入場者は、準決勝までに100万人を超えた。

 

国際統括団体ワールドラグビーのボーモント会長は、早々に「日本開催という大胆な決断は正しかった」と宣言した。大会を成功に導いたのはファンである。

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試合後は敵味方なく選手らが肩を抱き合い、スタンドでは両国のサポーターが笑顔で記念写真に納まった。本場の英語圏では死語になっているという「ノーサイド」の精神は、日本から世界に再発信された。

 

期間中の大型台風による犠牲者には黙祷(もくとう)が捧(ささ)げられ、試合中止となったカナダ代表選手らは岩手県釜石市の被災地でボランティアに汗を流した。準々決勝で南アに敗れた日本代表の選手らも、千葉県内などで復旧作業を手伝った。

 

多くの「にわかファン」が、生身の肉体と魂のぶつかり合いに熱狂した。大会のキャッチコピーは「4年に一度じゃない。一生に一度だ」だったが、日本ラグビー協会は再招致の意向を表明し、森重隆会長は「一度ではもったいない。目標は20年以内」と話した。賛成だ。そのためにはこの盛り上がりを一過性のもので終わらせてはならない。代表強化の継続と競技の普及が不可欠である。

 

協会にはトップリーグをプロ化する構想があるが、一枚岩とはいえない。国内の競技人口は約10万人にすぎず、高校ラグビー部の数は千チームを切る。子供がラグビーに触れようにも機会や場所が足りない。課題は山積している。

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大会で日本代表は、「ワンチーム」を合言葉に難局を切り開いた。次はラグビー界や日本全体が一つにならなくてはならない。

 

 

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