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中国海警法に即時対応せよ

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2月1日、中国は海警法を施行し、「中華民族の偉大なる復興」を実現するための実力行使に動き出した。この法律は、国連海洋法条約を基盤とした海洋秩序への挑戦であり、我が国をはじめとした近隣諸国への脅迫状である。中国共産党政権は、漢民族の生活空間を拡大するために他民族の住む土地を支配下に組み入れ、さらに海域まで侵攻しているのである。

 

海警法では、中国の「管轄海域」で外国政府の船舶が中国の法律、法規に違反する行為をした場合、強制退去させることができる。また、国家の主権、管轄権の侵害に対し、武器の使用を含む必要な全ての措置を講じるというのだ。

 

 

外国公船への法執行は国際法違反

 

国連海洋法条約では、他国の公船に対する法の執行を禁止している。公船同士の衝突は、戦闘に発展する可能性が高いからである。海警法は、明らかに国連海洋法条約を無視した国内法なのである。

 

中国は国際法に縛られていない。中華思想に基づく独自の法解釈により、常に自国を正当化する。2016年、オランダ・ハーグにある常設仲裁裁判所は、中国の南シナ海支配の歴史的権利は国際法上存在しないと裁定し、中国の主張を否定した。しかし、中国はこの判断を「紙屑」だとして無視し、人工島建設を続行し、南シナ海に軍事拠点を構築したのだ。中国にとって重要なのは、協調によって紛争を回避する国際法の順守ではなく、紛争に勝利するための国内法の整備なのである。

 

昨年4月、ベトナムと中国の領有権の主張が重複する南シナ海パラセル諸島周辺海域において、操業中のベトナム漁船が中国海警局の警備船の体当たりを受け沈没する事件が起きた。それまでも中国当局によるベトナム漁船に対する実力行使は毎年のように発生し、国際的な非難を受けているが、中国は馬耳東風である。

 

 

ターゲットは日本

 

海警法は、ベトナムやフィリピン相手に既に行っている武力行使を法制化したものである。次のターゲットが日本であるため、国力を投入できる法を整備したのだ。具体的に尖閣諸島をはじめとした東シナ海において、日本に対し武器を使用する宣言だ。

 

日本政府は、尖閣諸島周辺での中国公船の領海侵入に繰り返し抗議し、国際法の順守を求めてきた。しかし、中国に影響を与えるものでは全くなく、むしろ、日本の対応の甘さにつけ込み、領海侵入をエスカレートさせている。

 

中国が相手では、国際法は日本を守ってくれないのが現実である。

 

海警法では、「海警機構は、法律・軍事法規及び中央軍事員会の命令に従って、防衛作戦等の任務を執行する」と海警局が軍事機関であること明示している。日本は先手を打ち、中国の軍事侵攻を封印できる行動をとるべきである。尖閣諸島の調査、有効利用を含め、言葉だけではない実効支配体制をすぐにでも内外に示すべきである。

 

筆者:山田吉彦(国基研理事・東海大学教授)

 

 

国家基本問題研究所(JINF)「今週の直言」第760回(2021年2月8日)を転載しています。

 

この記事の英文記事を読む

 

 

Yoshihiko Yamada is a director of the Japan Institute for National Fundamentals and a professor at Tokai University. He is specialized in maritime issues.

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