SNSで話題の妖怪「アマビエ」 疫病退散の御利益願い

 

 

新型コロナウイルスの感染が広がるなか、疫病退散に御利益があるとされる妖怪「アマビエ」が注目されている。会員制交流サイト(SNS)では自作イラストの投稿が相次ぎ、「ゲゲゲの鬼太郎」などで知られる漫画家、水木しげるさんが描いたアマビエの原画も公開され、大反響を呼んだ。インターネット上での疫病退散の願いは通じるのか。

 

長く伸びた髪に鳥のようなクチバシ、体は人魚のようにウロコで覆われ、3本足で立っている-。京都大付属図書館が所蔵する瓦版にはそんな奇妙な妖怪が描かれている。同館によると、アマビエは江戸末期の弘化3(1846)年に肥後国(現在の熊本県)の海に出現したとされる妖怪。自ら「アマビエ」と名乗り「病が流行したら私の姿を写して人々に見せよ」と告げて海へ帰ったという言い伝えが残ることから、疫病退散に御利益があると信じられてきた。

 

新型コロナウイルスが世界的に拡大し始めた2月以降、ツイッターなどでは、流行終息の願いを込めてアマビエの自作イラストなどを公開する動きが広がった。

 

ヤフーのリアルタイム検索で「アマビエ」を含むツイート数を調べると、2月末まで1日あたり数件程度で推移していたのが、3月4日に千件を突破し、15日には約4万6千件にまで急増。同館も6日にツイッターで瓦版の画像を紹介したところ、瞬く間に拡散した。SNS上では自作イラストだけでなく、ぬいぐるみやアマビエをモチーフにした手作り弁当を公開する投稿も見られ、同館の梶山暢子さんは「瓦版の絵を参考に、思い思いにアマビエを描いて疫病退散を願ってほしい」と話している。

 

3月17日には、水木プロダクションが公式アカウントで、水木しげるさんがペンと墨汁で描いたアマビエの原画とそれに彩色した画像を「現代の疫病が消えますように」とのコメントとともに掲載。19日時点で10万回以上リツイート(転載)され、「神々しいです」「早く疫病が終息しますように」など、御利益を期待する声が多く寄せられた。

 

アマビエの“ご当地”熊本でも、熊本市のデザイン事務所「ネストグラフィックス」が自作のアマビエの絵をキーホルダーにするサービスを開始。3月12~15日の4日間で全国から280件の注文が殺到し、一時受付をストップした。事務所でデザインしたアマビエキーホルダーも、新型コロナウイルスの拡大で集客に悩む市内の飲食店などで販売したところ、500個が完売したという。同事務所の河北信彦代表(56)は「暗いニュースが多いが、アマビエが少しでも明るい話題となっていろんな人に広がってくれたらうれしい」と話した。

 

筆者:桑村大(産経新聞)

 

 

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Author:

Dai Kuwamura is a staff writer of the Sankei Shimbun Kyoto Bureau

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