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【主張】人権担当補佐官 名前だけに終わらせるな

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対中国を念頭に、人権問題担当の首相補佐官が新設されることを歓迎したい。名前だけの存在に終わらせないことが極めて重要である。

 

岸田文雄首相が自民党の中谷元・元防衛相と面会し、人権問題担当の首相補佐官に起用する考えを伝えた。11月10日の第2次岸田内閣発足に合わせて発令する。

 

人権補佐官新設は、自民党総裁選時の岸田首相の公約だった。

 

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中国共産党政権による香港や新疆ウイグル自治区などでの人権弾圧は極めて深刻だ。100万人以上のウイグル人が職業訓練センターを称する強制収容所に送られたとされる。チベット人やモンゴル人も人権侵害に苦しんでいる。香港では言論弾圧で自由と民主主義の可能性は刈り取られた。

 

中国政府が内政干渉として国際社会の批判に反発しているのはおかしい。人権は誰もが享受すべき権利であるからだ。

 

中谷氏は自民党のベテラン議員で、中国やミャンマーでの人権侵害をめぐり、「人権外交を超党派で考える議員連盟」を設立し、共同会長に就いていた。日欧米などの国会議員でつくる「対中政策に関する列国議会連盟」にも加わり、国際的な人権分野で存在感がある。

 

これを機に政府は、中国などによる深刻な人権侵害の実態調査に乗り出し、報告書をまとめて随時公開してもらいたい。

 

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今年3月にはウイグル人弾圧をめぐり、米英、カナダ、欧州連合(EU)が中国当局者に資産凍結などの制裁を科した。一方、日本政府は外為法に人権問題のみを理由とした規定がないとして、制裁を見送った。日本も人権侵害制裁法を制定し、人権を重視する国々の列に加わるべきだ。

 

これらの政策を速やかに実行するため、中谷氏には働き抜いてほしい。人権侵害を許さないという日本の意思の発信も欠かせない。北朝鮮による日本人拉致問題は、担当相の松野博一官房長官らとうまく役割分担する必要がある。

 

日本が人権問題に取り組めば、中国政府が歪曲(わいきょく)した歴史認識問題で反撃してくる恐れがある。外務省は後れをとってはならない。

 

与野党の対応も重要になってくる。まずは、12月召集予定の臨時国会で、先の通常国会で見送った対中人権非難決議を必ず採択すべきである。

 

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2021年11月9日付産経新聞【主張】を転載しています

 

この記事の英文記事を読む

 

 

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