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囲碁・将棋、女性の活躍が人気復活のカギに

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棋王戦予選決勝に勝利し、棋士編入試験の受験資格を得た
里見香奈女流四冠(左)
=5月27日、大阪市福島区の関西将棋会館

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第167回芥川賞・直木賞の受賞作は、7月20日に決まる。すでに発表されている候補作の作者を見ると、芥川賞はすべて女性、直木賞でも男性は一人だけだ。文学では「女流」という言葉が死語になって久しい。

 

一方、囲碁や将棋の世界では今も健在である。囲碁の女流棋士になる道は、一般採用枠のほかに「女流枠」がある。女流棋戦はもちろん、ほとんどの一般棋戦で男性の棋士と同じ扱いを受ける。昇段の規定も同じだ。

 

第41期女流本因坊戦本戦2回戦 勝利し、史上最年少で公式戦100勝を達成した仲邑菫二段=6月6日午後、東京都千代田区の日本棋院

 

3年前に史上最年少の10歳でプロ入りを果たした仲邑菫二段の場合は、別の「英才枠」だった。若き天才を見つける目的で新設されたもので、無試験である。昨年は43勝18敗と男女を通じて3位の勝ち星を挙げた。今年に入っても、女流名人戦の挑戦者に名乗りを上げるなど、期待通りの活躍である。

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仲邑菫二段(左)は第41期女流本因坊戦の2回戦で加藤啓子六段を下し、最年少・最速で100勝を達成した=6月6日、千代田区・日本棋院

 

将棋界ではプロ棋士と女流棋士は明確に区別される。段位の制度も異なる。棋士になるには養成機関である奨励会の三段リーグ戦を勝ち抜くか、編入試験に合格するしかない。女流のタイトルを総なめにしてきた里見香奈女流四冠(30)でさえ、奨励会ではあと一歩のところで涙をのみ、年齢制限で退会している。ところがその後の好成績によって、このたび編入試験の受験資格を得た。

 

記者会見で棋士編入試験受験への意気込みを語った里見香奈女流四冠=7月6日午前、大阪市福島区の関西将棋会館(南雲都撮影)

 

女性に門戸を開く囲碁界に対して、将棋界は実力主義と男女平等を徹底しているといえる。実は囲碁、将棋ともに、競技人口の減少に苦しんできた。女性の活躍によって人気復活を図りたい思惑は共通している。

 

8月に始まる若手棋士5人との試験対局で3勝すれば、史上初の女性の「棋士」が誕生する。里見さんは「静かに見守って」とのコメントを発表しているが、藤井聡太フィーバー以来の盛り上がりは間違いない。

 

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2022年6月30日付産経新聞【産経抄】を転載しています

 

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