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Disney+、9月から日本オリジナル実写作配信 物語性で世界に挑む

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9月から配信予定の「すべて忘れてしまうから」
©Moegara, FUSOSHA 2020 ©2022 Disney and related entities

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日本で令和2年からサービスを開始したインターネット動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」が9月から、日本で制作されたオリジナル実写ドラマの配信を始める。ウォルト・ディズニー・ジャパンのエグゼクティブディレクターで日本のオリジナルコンテンツ制作を統括する成田岳(がく)さんは、ディズニーが培ってきたストーリーテリング(物語を伝えること)のDNAを生かし、「日本発の優れたストーリーを世界に出していくことが目標」と意気込みを語る。

 

ディズニープラスは「Disney(ディズニー)」「PIXAR(ピクサー)」「MARVEL(マーベル)」「STAR WARS(スター・ウォーズ)」など6つのブランドで構成。例えば、ディズニーなら「アナと雪の女王」、ピクサーなら「トイストーリー」、マーベルなら「スパイダーマン」とそれぞれが多数の世界的ヒット作を抱えるブランドだ。

 

こうした状況で、日本独自の作品を作る理由について、成田さんは「ローカル(国内)コンテンツのニーズが日本は突出して多い。そのニーズがある以上、僕らはそこに向けてよりよい優れたものを提供したいという思いがある」と話す。

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現在発表済みのオリジナル実写作品は、阿部寛主演のラブストーリー作品「すべて忘れてしまうから」(9月配信予定)、平成4年に公開されて大ヒットした映画「シコふんじゃった。」から30年後にまたも廃部の危機にひんした大学相撲部を描いた「シコふんじゃった!」(今秋配信予定)、閉鎖的な村社会を舞台にしたホラー作品「ガンニバル」(今冬配信予定)の3本。タイトルも含めて詳細は発表されていないものの、準備している作品は数十本に上るという。

 

ウォルト・ディズニー・ジャパンの成田岳エグゼクティブディレクター

 

独特と普遍の合体

 

ジャンルもバラバラな3本だが、成田さんは共通する特徴としてストーリーテリングへのこだわりを挙げ、「どういったことが世界に向けて普遍的なストーリーであるのか、どういったことで人とつながり合えるのかということに対してものすごいこだわりがある」と説明する。

 

さらに「ガンニバル」を例に、「村社会であったりとか古くから伝わる因習とか、それは日本独自のものであったりもするけれど、世界のいろんなとこにも見られる現象だったりする。独特だけど普遍、普遍だけど独特みたいなミクスチャー(混合)は非常に面白いと思っています」と話す。

 

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日本独特の社会や文化を作品に反映しつつ、世界中の人々が共感できる物語性にこだわるのは、ウォルト・ディズニー社が1923年に創立されてから今日まで脈々とストーリーテリングのDNAが培われ、全社レベルでその大切さを理解しているから。世界中の人々が熱狂する作品では、その世界観や舞台設定にかかわらず、人間やキャラクターの物語がしっかり描かれているという。その姿勢はディズニーでもずっと貫かれており、「日本作品においてもずっと続けていく」と成田さんは強調する。

 

その強いこだわりは、作品の企画段階のやり取りにも表れている。外部から企画が持ち込まれた際には、「どんな話を語りたいんですか?」という質問をいつも投げかけるという。「作り手が本当に面白いと思って、『これを語りたい』というものは潜在的なパワーを持つ。そこを大事にしていきたい」(成田さん)からだ。

 

今秋に配信予定の「シコふんじゃった!」©2022 Disney

 

日本作品の可能性

 

日本のこれまでの実写作品は映画会社やテレビ局主導のものが目立っていたが、近年は海外の大手動画配信サービスが上陸。Netflix(ネットフリックス)やAmazonが運営するPrimeビデオなどが日本オリジナルの作品を次々と提供している。

 

制作拠点としての日本の可能性について、成田さんは「漫画やアニメを中心に独自のアイデアや世界の人が驚くストーリーが多数作られてきた。それが実写においては制作環境が非常に限定的だった」と指摘。「今後われわれも含めたストリーミング各社が切磋琢磨(せっさたくま)することによって、オリジナルの素晴らしい概念に属人的支援をはじめとしたリソース(資源)が加わる。世界基準のリソースを提供できるので、今まで見られなかったような作品ができていき、それが世界にどんどん広がっていくと思う」と語る。

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アニメの世界では世界的ヒット作が生んできた日本。実写作品においては非英語作品として初めて米アカデミー賞の作品賞に輝いた映画「パラサイト 半地下の家族」や世界中にブームを巻き起こしたドラマ「イカゲーム」などを輩出した韓国に後れを取っているのが現状だ。

 

「視聴習慣も含め、日本のドラマが海外に急に見られるかというとそうではない。『意外と面白いよ』とボディーブローのように効いて『確かに面白いね』ということが広がるまでにはもう少し時間がかかる」と成田さん。それでも、「1本の作品で意識は変わる。そこを常に考えないといけない」と話し、世界市場を見据えている。

 

筆者:森本昌彦(産経新聞)

 

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2022年8月19日産経ニュース【メディアインサイド】を転載しています

 

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