12年ぶり開催のラリー・ジャパン 水素エンジンや自動運転の進化を予感
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のどかな日本の風景にエンジン音が響く―。11月10日~13日、自動車の世界ラリー選手権(WRC)ラリー・ジャパンが愛知・岐阜両県で開催された。日本でのWRC開催は2010年以来で、本州での実施は今回が初めて。当初は2020年からの開催が予定されていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期が続き、満を持しての開催となった。
ラリー・ジャパン事務局によると、関連会場に訪れた来場者は4日間で延べ89,460人。競技区間の観戦エリアのチケットは事前に完売、移動の沿道でも声援が送られ、多くのファンがラリーを楽しんだ。
WRCへはトヨタが参戦を続けている。トヨタのチームは、10月の前々走ニュージーランドでカッレ・ロバンペラが今シーズン6回目の優勝を決め、史上最年少でドライバーズタイトルを獲得。前走スペインではチーム7勝目を挙げ、日本での最終戦を待たずして2年連続となるマニュファクチャラーズタイトルを獲得した。
トヨタの本拠地がある豊田市はラリー・ジャパンのステージに含まれており、凱旋ラリーとなった。ラリー・ジャパンでは、地元愛知出身の勝田貴元が総合3位となり、通算3度目の表彰台を決めた。
市販車ベースのレースカーで一般道を走るラリーからは、市販車開発に重要な走行情報が得られる。レースで収集したデータをAIが学習すると、制御システムを向上させることができ、自動運転の進化につながる。
競技3日目の12日には、会場となった愛知県岡崎市の河川敷で、トヨタ自動車が開発中の水素を燃やして走るエンジン車がデモ走行した。水素エンジン車は走行中に二酸化炭素をほとんど出さない。多くの観客に脱炭素に貢献する水素の可能性を披露した。
筆者:影山慎一郎
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