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国家犯罪に手を染めていた北朝鮮

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新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」(右奥)を娘(手前左)と現地指導する北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記=11月18日、平壌国際空港(朝鮮通信=ロイター)

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旧ソ連の独裁者スターリンには2男1女があった。ことさら一人娘のスベトラーナをかわいがった。笑顔のスターリンが9歳の娘を抱きかかえている写真は、溺愛ぶりをよく表す。1935年に撮影されたものだ。

 

その数年前には集団農業化などにより、穀倉地帯のウクライナでは数百万人の餓死者が出ていた。大粛清と呼ばれる政治弾圧の犠牲者は1千万人にのぼるといわれる。父親の首にしがみついているスベトラーナは、そんな悲劇を知る由もない。

 

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一人娘のスベトラーナを抱きかかえるスターリン=1935年(Public Domain via Wikipedia)

 

北朝鮮は18日、新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」を日本海に向けて発射し、北海道沖に落下させた。北朝鮮メディアは金正恩総書記が発射場に娘を同行させていたと報じて、話題を呼んでいる。

 

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公開された写真では、白いダウンコート姿の娘が正恩氏と手をつないで発射場を歩いたり、正恩氏と李雪主夫人の間で娘が発射を見守ったりしている。正恩氏には3人の子供がいるとされ、12歳ごろの年格好の娘は、第1子か2子とみられる。「後継」を暗示するのか、北朝鮮専門家の間でも意見が分かれる。

 

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娘と写真に納まる北朝鮮の金正恩小書記(朝鮮中央通信=ロイター)

 

6歳の時に母親に先立たれたスベトラーナは4度の結婚を含めた波乱の生涯を送る。なかでもスターリンの死後、米国への亡命を果たしソ連政府を公然と批判すると、大きな反響を引き起こした。まもなく発売された回顧録では、スターリン時代をこう総括する。後世の人たちにとって「イワン雷帝の治世にも似て、はるかに遠く、不可解な、戦慄をさそうほどに恐ろしいものになるのだろう」。

 

北朝鮮に拉致された横田めぐみさん(当時13歳)

 

正恩氏の娘もいつか知ることになる。相次ぐミサイルの発射実験とは裏腹に多くの国民が飢えに苦しみ、日本人の拉致という国家犯罪に手を染めていた北朝鮮の戦慄の事実を。

 

 

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2022年11月21日付産経新聞【産経抄】を転載しています

 

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