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H3、初号機ゆえの難しさ 検知した異常 徹底的な解明急げ

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H3 rocket
予定時刻を過ぎても打ち上げられなかったH3ロケット初号機=2月17日、鹿児島県南種子町(恵守乾撮影)

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日本の宇宙ビジネス拡大という重要な役割を担う次世代大型ロケット「H3」初号機は、2月17日午前の打ち上げ予定時刻直前に異常が検知され、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は打ち上げ中止を判断した。いったい何が起きたのか。

 

異常が検知されたのは、打ち上げ6・3秒前に、第1段ロケットに装着されている新開発の主エンジンLE9が点火された直後だ。

 

H3 rocket

予定時刻を過ぎても打ち上げられなかったH3ロケット初号機に関して、報道陣に説明するJAXAの広報担当者=2月17日、鹿児島県南種子町(恵守乾撮影)

 

第1段ロケットには、エンジンの制御装置やエンジンの末端部にある噴射ノズルの方向を制御する装置など、さまざまな装置が搭載されており、これら全体の状態を監視している制御システムが異常を検知した。

 

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その結果、次の段階である、打ち上げ0・4秒前に予定されていたブースターへの点火を行う信号が発せられず、打ち上げ中止という事態に至った。

 

H3 rocket

オンライン記者会見に臨むJAXA H3プロジェクトチームの岡田匡史プロジェクトマネージャ=2月17日午後、鹿児島県南種子町(スクリーンショット)

 

岡田匡史(まさし)プロジェクトマネージャによると、検知した異常が何なのか、どの装置のものなのか、現段階ではまだ判明していない。理由は、制御システムがやり取りしている情報の記録が膨大な量だからだ。

 

システムの回路内には、各装置における電圧の変化の状態や、届くべき信号が届いているかなど、多様なデータが100分の1秒単位でやり取りされている。一つ一つのデータを時系列順に丹念に解析しないと、どの装置でどんな異常が起きたか分からないという。

 

H3 rocket

飛行するH3ロケットの想像図(JAXA提供)

 

岡田氏は「異常検知は、システムが設計の範囲内できちんと作動した結果だ」と説明するが、システム自体が誤動作した可能性も拭い去れない。そのため、再打ち上げに向けては、慎重な原因究明が必要となる。

 

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H3初号機は、主エンジンに続いたトラブルで打ち上げが既に約2年延期されている。それに加えての土壇場での打ち上げ中止は、宇宙ビジネス上、悪いイメージにつながりかねない。徹底的に原因を究明し、万全の対策を施した上で、再打ち上げに臨まなくてはならない。

 

筆者:伊藤壽一郎(産経新聞)

 

 

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