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【主張】豪州が米原潜購入 日本も対中連携強化を

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ドックに入るバージニア級攻撃型原潜ジョンワーナー2014年8月、米ニューポート(米海軍提供

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米国と英国、オーストラリアの首脳が、インド太平洋地域の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」として初の首脳会合を開き、米英海軍が4年後をめどに豪州に原子力潜水艦を巡回配備することで合意した。

 

その後は、豪州が2030年代に米国製のバージニア級攻撃型原潜を最大計5隻購入し、40年代に米英の支援で豪州が新型原潜を独自開発する計画だ。

 

AUKUS

大西洋を航行するバージニア級攻撃型原潜ノースダコタ=2013年8月(米海軍提供)

 

中国は27年までに台湾侵攻の能力を確保する見通しだ。東・南シナ海を越えた太平洋やインド洋にも覇権的な進出を始めている。

 

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オーカスの取り組みは、米英豪の潜水艦を西太平洋で前方展開させ、対中抑止力を向上させるものとして大いに歓迎できる。

 

中国は、敵の艦船や潜水艦などの攻撃を任務とする攻撃型原潜を6隻、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載する戦略原潜6隻、通常動力型潜水艦44隻を保有する。対する米国は、攻撃型原潜53隻、戦略原潜14隻、巡航ミサイル原潜4隻を保有し、質量ともに中国に優位に立つ。

 

AUKUS China Okinawa

沖縄沖の太平洋に展開中の中国海軍の空母「遼寧」と艦載戦闘機=2022年5月15日(防衛省統合幕僚監部提供)

 

これに英豪の原潜を加え、台湾有事をにらんで米軍の作戦行動の妨害を図る中国の「接近阻止・領域拒否(A2/AD)」戦略に対抗するため、実効性の高い海軍戦略を展開してもらいたい。

 

豪州では保守連合の前政権に続き、労働党のアルバニージー現政権も中国に厳しく対処する方針だ。だが、過去の豪政権は、中国との経済関係を重視して対中融和に傾いたこともあった。地域の平和と安定のためにも、そのような逆戻りは決して望ましくない。

 

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インド太平洋ではオーカスに加え、日米豪とインドの4カ国による戦略対話の枠組み「クアッド」も構築された。第二次大戦後のインド太平洋の安全保障は、北大西洋条約機構(NATO)のような地域機構が存在せず、米国が日韓や豪州、フィリピンなどの同盟国とそれぞれ2国間の安全保障条約を結ぶ、車輪の「ハブとスポーク」のような形をとってきた。

 

米国防総省で会談するオースティン米国防長官、ウォレス英国防相、マールズ豪国防相=2022年12月7日(ロイター)

 

だが、中国が覇権的影響力を強める中、地域の安保構造はオーカスのように米同盟諸国が互いに連関し合う「ネットワーク型」への本格転換が急務だ。日本も韓国やフィリピンとの安保関係を日米韓や日米比の3カ国協力に発展させるなどして、対中連携の拡大と強化に力を尽くす必要がある。

 

 

2023年3月26日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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