杭州アジア大会開幕 中国、影響力拡大狙う インド閣僚は訪中とりやめ
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中国の杭州市で9月23日、スポーツの祭典、杭州アジア大会が開幕した。中国はシリアのアサド大統領ら各国要人を招待し、対立する米国をにらんで国際的な影響力拡大を狙った。一方、中国との国境問題が深刻化するインドは閣僚の訪中を直前にとりやめた。
習近平国家主席は23日夜の開会式で、開幕を宣言。大会は昨年開催予定だったが、新型コロナウイルス禍で延期された。中国は今年1月に「ゼロコロナ」政策を正式終了させており、コロナ禍の収束をアピールする場となる。
開会式を前に、クウェートのミシャル皇太子やカンボジアのシハモニ国王、韓国、ネパール、東ティモールの各首相らが現地入りした。友好国の首脳が目立つ。
習氏は23日、来賓らを集めた歓迎行事で「スポーツで平和を促進し、冷戦思考と陣営対立を防ぎ止め、アジアを世界平和の安定のいかりにしなければならない」とあいさつした。同盟国などと対中圧力を強める米国への対抗姿勢をにじませた。
インド政府は22日になって、スポーツ担当相の中国訪問の中止を発表した。現地メディアによると、中印の係争地でインドが実効支配するアルナチャルプラデシュ州出身の3選手が、中国入国に必要な書類を入手できないという問題が起きており抗議の意思を示した。
中国外務省の毛寧(もう・ねい)報道官は22日の記者会見で「中国は主催国として、各国選手が合法的な証明書類を持って参加することを歓迎する」と述べるとともに「中国政府は、いわゆるアルナチャルプラデシュ州を認めていない」と反発した。
筆者:三塚聖平(産経新聞中国総局)
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