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「インパール」戦った97歳の元英兵が訪日会見 「憎む気持ちなくなった」

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長い握手を交わし、互いの気持ちを確認し合った老兵士のリチャード・デイさん(左)と佐藤哲雄さん=10月12日、山形県庄内町(柏崎幸三撮影)

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第二次大戦の「インパール作戦」で旧日本軍と戦った元英国陸軍兵士のリチャード・デイさん(97)らが来日し、10月20日、日本記者クラブ(東京都千代田区)で記者会見した。デイさんは、干戈(かんか)を交えた旧日本兵らと握手し、温かく友好的な日本人に接したといい、「敵視し、憎む気持ちもなくなった。平和のため、戦後培った友好関係を続けたい」と述べた。

 

インパール作戦は昭和19(1944)年、旧日本軍が英国の支配下にあったインド北東部の攻略を目指した。激しい戦闘や食料不足などで日本兵約3万人が命を落とし、最も過酷な戦いの一つといわれる。

 

18歳で徴兵されて英陸軍兵士としてインド北東部のコヒマなどで戦ったデイさんは日英の元兵士の相互理解と和解活動に取り組む英国の「ビルマ作戦協会」の企画で来日した。

 

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インパール近郊の激戦地「レッドヒル」の麓に開館したインパール平和資料館=2019年6月22日午後、インド北東部・インパール(大竹直樹撮影)

 

デイさんは、第二次大戦で死亡した「無名戦没者の墓」である千鳥ケ淵戦没者墓苑(千代田区)や、横浜市保土ケ谷区の英連邦戦死者墓地で開かれた合同慰霊祭に出席した。山形県庄内町の追悼供養では、コヒマで戦った104歳の旧日本兵と握手を交わした。同県出身でインパール作戦を指揮した佐藤幸徳中将の墓前に献花した。

 

また、京都や広島も訪問。戦後数カ月、京都に滞在したデイさんは「お世話になった宿舎従業員にお礼を言えぬまま帰国した。再会できれば、やさしさにお礼を言いたい」と述べた。

 

インパール作戦で日本軍と戦った元英国軍兵士のリチャード・デイさんが日本記者クラブで会見を行った=10月20日午後、東京都千代田区(関勝行撮影)

 

日英両国の和解には、英国に米国、英連邦のカナダ、オーストラリア、ニュージーランドを加えた5カ国の機密情報共有の枠組み「ファイブ・アイズ」諸国とオランダも加わり、千鳥ケ淵戦没者墓苑での慰霊祭には英国以外の駐日大使や駐日武官が初めて参加した。

 

ビルマ作戦協会のマクドナルド昭子会長は「日英のみならず、同じ価値観を共有するファイブアイズ諸国が慰霊祭に参加して日本の仲間であることを示してくれたことは大きな成果」と評した。中国、ロシア、北朝鮮と3方面を核保有国に囲まれ、戦後最悪の安全保障環境にある日本が和解活動を通じても、ファイブアイズやオランダとの連携を世界に発信した格好だ。デイさんの訪日に同行したポール・コーデン英陸軍中佐は「日英が民主主義国連携の中心となって連帯を示し、中露朝の新たな脅威に対抗したい」と語った。

 

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また同じく訪日に同行したジェームズ・ボーグル元英陸軍大佐は広島と長崎を訪れ、「民間人の命も無差別に奪った原爆投下はすべきではなかった」と原爆使用を批判した。

 

筆者:岡部伸(産経新聞)

 

 

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