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【主張】米中首脳会談 習氏の覇権志向に警戒を

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中国の習近平国家主席(左)とバイデン倍大統領=11月15日(ロイター)

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バイデン米大統領と中国の習近平国家主席が米西部サンフランシスコ近郊で、1年ぶりとなる対面での首脳会談を行った。

 

両首脳は国防当局や軍の高官による対話再開などで合意した。一方、台湾を巡っては台湾海峡の平和と安定維持の重要性を説いたバイデン氏に、習氏が「(台湾を)必ず統一する」と述べるなど、両国の溝の深さが際立った。

 

地域の軍事的覇権を追求する中国の対外姿勢に変化がみられなかったことは厳しく認識すべきだ。バイデン氏は日本など同盟・友好国と連携し、一層の対中抑止に努める必要がある。

 

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シンガポールで開かれたアジア安全保障会議の会場で握手するオースティン米国防長官(右)と中国の李尚福国務委員兼国防相(当時)=6月2日(AP=共同)

 

軍部同士の対話は、昨夏のペロシ下院議長(当時)の台湾訪問をきっかけに中国側が中断した。中国軍は台湾海峡や南シナ海で米軍の艦船や航空機に危険な挑発を繰り返しており、偶発的な衝突が懸念されていた。

 

バイデン氏が会談で「競争が衝突に転じないよう管理しなければならない」と述べたように、中国が拒否していた軍同士の対話再開に意味がないわけではない。このほか両国は、人工知能(AI)に関する政府間対話や気候変動対策での協力などでも一致した。

 

会談する中国の習近平国家主席(左)とバイデン米大統=11月15日、米サンフランシスコ(ロイター)

 

問題は中国の覇権主義的な姿勢だ。習氏は会談で「地球は十分に大きく米中の共存は可能だ」と述べた。地域で覇権を得ようとする意思を明言したといえよう。

 

習氏は2017年、当時のトランプ米大統領との首脳会談後の共同記者発表でも「太平洋には中国と米国を受け入れる十分な空間がある」と発言し、太平洋を米中で二分しようとする考えを示した。実際、中国はインド太平洋地域で海洋進出を強めている。

 

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習近平中国国家主席に抗議する人々=11月15日、米サンフランシスコ(ロイター)

 

バイデン氏は会談で、来年1月に行われる台湾の総統選挙に中国が干渉しないよう警告した。これに対して習氏は「米国は台湾を武装させるのをやめ、中国の平和統一を支持すべきだ」と強く反論し、一歩も譲らぬ構えを見せた。

 

習氏は「中米両国には多くの分野で広範な共通利益がある」とも発言したが、最重要の共通利益は、台湾海峡や南シナ海の平和と安定だ。中国には香港や新疆ウイグル自治区などでの深刻な人権侵害問題もある。これらが改められない限り、真の緊張緩和はもたらされまい。

 

 

2023年11月17日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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