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【主張】ダイハツ認証不正 車の安全揺るがす行為だ

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ダイハツ工業本社に立ち入り検査に入る国交省の職員=12月21日、大阪府池田市(共同)

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ダイハツ工業が車両の安全性を確認する認証試験で不正を行っていた問題は、ダイハツが国内外で販売する全車種の出荷を停止する事態に発展した。

 

この問題を調査していた第三者委員会の報告書によると、新たに発覚した不正は174件にのぼる。事故を想定した側面衝突試験で、本来は衝撃によって電子制御で作動すべきエアバッグをタイマーで作動させるなどしていた。

 

休業日でひっそりとしたダイハツの店舗=12月20日、大阪市内(甘利慈撮影)

 

不正があった車両はこれまでの6車種から、トヨタ自動車など他社ブランドも含め64車種に拡大した。不正は平成元年から確認され、30年以上に及ぶ。

 

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認証試験は、大量生産に必要な「型式指定」を取得するために必要で、決められた試験方法によって車両が安全・環境性能に適合していることを確認する。不正は車の安全を揺るがす重大な背信行為だ。

 

ダイハツ工業本社のロゴ=12月21日、大阪府池田市のダイハツ工業本社(宮崎慎之輔撮影)

 

国土交通省は12月21日、大阪府池田市の本社を立ち入り検査した。不正行為の事実関係を確認し、行政処分を検討する。

 

ダイハツの奥平総一郎社長は「今回の不正により、乗り続けて問題がある事象は発生しなかった」としているが、認証試験の不正は乗員の人命にかかわる。検査の内容によっては型式指定を取り消すなど厳格な行政処分を排除すべきではない。

 

衝突試験の不正で国内外で販売している全車種の出荷を停止したことを受け会見冒頭頭を下げる(左から)ダイハツ工業の星加宏昌副社長、同社の奥平総一郎社長、トヨタ自動車の中嶋裕樹副社長=12月20日午後、東京都文京区(岩崎叶汰撮影)

 

ダイハツが不正に手を染めることになった原因について、第三者委は「過度にタイトで硬直的なスケジュールによる極度のプレッシャー」を挙げた。28年にトヨタの完全子会社となり、トヨタの海外生産プロジェクトを担うことになったことも短期開発を促進する要因となったという。

 

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現場の状況に気が付かないまま、短期開発を推し進めたダイハツ経営陣だけでなく、トヨタの責任は重い。

 

トヨタグループではこのところ、品質を巡る不正が続いている。昨年3月には日野自動車が燃費性能などに関する国の認証試験でデータ改竄(かいざん)があったと発表した。今年4月には、豊田自動織機がフォークリフト用エンジンの排出ガスを巡る不正で行政処分を受けている。

 

グループ内で不正が続く原因がどこにあるのか。トヨタは原因を究明し、実効性がある再発防止策を講じるべきだ。相次ぐ不正はトヨタ自身の問題だと認識しなければならない。

 

 

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2023年12月22日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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