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14億人の「ガラパゴス」

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中国ではコロナ対策を契機にデジタル化が加速した(三塚聖平撮影)

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中国政府が、新型コロナウイルス禍で激減した訪中外国人を回復させようとしている。昨年には、ビザ(査証)の申請書簡素化や、取得料金値下げなどを相次ぎ打ち出した。

 

一方で、コロナ対策を契機にさらに加速したデジタル化により、海外から来た外国人が中国国内を自由に観光するのは難しくなったと思う。昨年、休暇で訪れた江蘇省南京市で公園に入ろうとすると、スマートフォンのアプリで事前登録が求められた。しかし、登録には中国の身分証番号が必須で、パスポート番号には対応していなかった。

 

中国の配車大手、滴滴出行のアプリ画面 (ブルームバーグ)

 

タクシーもアプリで呼ぶのが一般的となり、大通りでも流しの空車タクシーを見つけるのが困難な都市は珍しくない。飲食店で店員にメニューを求めると「ない。スマホで見て」といわれることもある。手段がなく困っていると「どうした?」と親切な人が現れるのは中国の良さだが、ガイド付きの団体旅行ならまだしも外国人の個人旅行はハードルが高くなったと感じる。

 

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新年のカウントダウンイベントでスマホを掲げる中国の人々=12月31日、北京(ロイター)

 

世界標準からかけ離れて普及した日本の技術やサービスを、生物が独自の進化を遂げたガラパゴス諸島になぞらえて表現することが一時期流行した。中国のデジタルサービスも、人口14億人という桁違いの規模の「ガラパゴス化」が進んでいるように見える。

 

筆者:三塚聖平(産経新聞中国総局)

 

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