fbpx
Connect with us
Advertisement

【主張】北陸新幹線延伸 能登地震の復興に生かせ

Published

on

北陸新幹線で到着した乗客を歓迎する地元のご当地アイドルや観光関係者=3月16日午前、福井県敦賀市(恵守乾撮影)

~~

 

北陸新幹線の金沢―敦賀(福井県敦賀市)間が延伸開業した。整備計画の決定から半世紀を超えて東京―福井間が初めて直通し、北陸3県が新幹線で結ばれた。

 

経済効果は600億円に上るとも試算されるこの好機を、元日の能登半島地震の被災地復興に生かしたい。地元の自治体や民間だけでなく、国を挙げた創意工夫が必要だ。

 

多くの人々が詰めかける中、敦賀駅に到着した東京発「かがやき501号」=3月16日午前、福井県敦賀市(恵守乾撮影)

 

東京―福井間は33分短縮されて最速で2時間51分、東京―敦賀間は最速3時間8分となり、片道3時間の「日帰り圏」となった。ビジネスや観光など、さまざまな人の往来の活発化が期待される。

 

Advertisement

開業日には、政府による被災地の観光振興支援「北陸応援割」も始まった。被災地側の負担を指摘する声もあるが、被災地支援という本来の目的を踏まえて活用されれば、新幹線延伸開業との相乗効果が生まれるだろう。一過性のブームに終わらせない取り組みも不可欠だ。

 

北陸新幹線を降りた乗客で一時的に混雑する敦賀駅の改札口=3月16日午前、福井県敦賀市(恵守乾撮影)

 

一方、金沢と大阪、名古屋を結んでいた特急列車は敦賀止まりとなり、金沢に向かうには北陸新幹線への乗り継ぎが必要になった。移動時間は大阪―金沢で22分短縮されて最速2時間9分となったが、料金は1620円高くなった。

 

ダイヤ上、最短の乗り換え時間は8分だが、1月にJR西日本が行った訓練では新幹線1編成分の乗客約900人が乗り換えに要した時間は12分を超えたという。利用者の目線に立った改善も必要だろう。

 

敦賀駅の先で途切れる北陸新幹線の高架線路。大阪まで延伸する計画の見通しは立っていない。奥は敦賀車両基地に向かう高架線路=3月8日、福井県敦賀市(共同)

 

延伸に伴い、並行在来線(北陸線)約130キロの運営はJR西から石川、福井両県の第三セクターに移管された。人口減少が進む中、厳しい経営が見込まれている。地域の足をどう確保するか知恵を絞ってほしい。

 

Advertisement

昭和48年に整備計画が決定された北陸新幹線は、平成10年の長野冬季五輪に合わせて9年に東京―長野間が先行開業し、27年に金沢まで延伸した。国は京都府を経由した新大阪までの延伸を令和28年と想定するが、環境影響評価(アセスメント)の遅れの影響で着工のめどは立っていない。

 

北陸は「関西の奥座敷」と呼ばれて、関西圏と深く結びついてきた。その関西圏と直結することで北陸新幹線は完結する。費用やルートの見直しなど、柔軟な検討を始めてほしい。

 

 

2024年3月21日付産経新聞【主張】を転載しています

 

Advertisement

この記事の英文記事を読む

 

 

Continue Reading
Click to comment

You must be logged in to post a comment Login

Leave a Reply

Our Partners