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【主張】翻訳本発売に脅迫 言論封じの暴挙許されぬ

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「トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇」(産経新聞出版)

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民主主義の根幹をなす表現の自由への不当な侵害は決して許されない。

 

4月3日発売の翻訳本「トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽(あお)る流行の悲劇」を巡り、取り扱う書店や発行元の産経新聞出版に脅迫メールが送り付けられた。「発売日に抗議活動として大型書店に放火する」などと予告する内容である。

 

産経新聞出版は威力業務妨害罪で警視庁に被害届を出した。一部の書店は店頭での発売開始を延期する対応を迫られた。

 

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憲法第21条は「集会、結社及(およ)び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」と明記している。書店や出版社に対して暴力をちらつかせて言論を封じようとする脅迫は、趣旨の方向性にかかわらず、国民が享受する自由、民主主義に挑戦する暴挙だ。

 

産経新聞社と産経新聞出版はこのような脅迫に屈しない。最大限の言葉で非難する。

 

原著は米国のジャーナリストによるノンフィクションで2020年に出版された。ブームに煽られて性別を変更し、回復不能なダメージを受けて後悔する多くの少女らに取材しており、独仏など各国で翻訳されて話題となった。

 

「KADOKAWA」の本社ビル=東京都千代田区(©産経新聞 鴨志田拓海撮影)

 

日本では出版大手のKADOKAWAが「あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇」の邦題で発行を予定していた。だが、「トランスジェンダーへの差別だ」とする抗議や批判があり、昨年12月に発行中止を決めた経緯がある。

 

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その後、産経新聞出版が発行を決めた。米国でベストセラーになるなど外国で評価を得た書籍が日本で出版できなくなることに危機感を覚えたからだ。LGBTなど性的少数者への差別があってはならないのは当然だが、そもそも翻訳本は差別を助長するものではない。それでも同出版には発行中止を迫るメールが届くようになった。

 

性の多様化が進む米国の子供たちや家族が今、どのような状況にあるのか。その一端を示すのが翻訳本だ。読者にトランスジェンダーについて考える材料を提供するのが狙いである。

 

翻訳本の内容に批判があるなら、それはあくまで言論でなされるべきである。暴力や脅迫は断じて認められない。

 

 

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2024年4月3日付産経新聞【主張】を転載しています

 

この記事の英文記事を読む

 

 

 

 

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