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【Tokyo Outlook】日本は「希望の光」に

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KISHIDA Fumio: 'For the Future: Our Global Partnership'

岸田首相、米議会の上下両院合同会議での演説全文 「未来のため:我々のグローバル・パートナーシップ」

 

 

岸田文雄首相が先日、米議会の上下両院合同会議で行った演説は正直、衝撃的だった。約35分間の演説で、16回ほどスタンディングオベーションが起き、米議員たちが大きな拍手を送った。日本では到底見ることができない光景だ。

 

日本の首相が米議会で演説したのは、日米関係を「希望の同盟」と呼んだ安倍晋三首相以来実に9年ぶりである。失礼だが、お世辞にも話が上手とはいえない岸田首相に、いったい何が起きたのか-。

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英語ニュース・オピニオンサイト、JAPAN Forward(JF)はもちろん、岸田首相が日米関係、そして世界の未来について語った演説の全文を掲載した。さらに、スタンディングオベーションをもたらした米議員たちの感想もその後、詳細にわたって別の記事で報じた。上の英文(日本語訳)は、首相演説全文記事の見出しである。

 

演説は、幼年期をニューヨークで過ごし、米国人の友達に助けられた自らの体験談から始まった。時にユーモアを交えながら岸田首相が強調したのは、戦後、日本は米国と同様に「自由と民主主義、法の支配」を信ずる国となり、その価値を守るために日本と日本人が親友となった米国と共に、今後、汗を流す覚悟であるという点だった。

 

米国内で賛否が分かれるウクライナ支援についても、「日本はこれからもウクライナと共にある」と踏み込んだ。自由で繁栄したより良き未来のために、日米両国は侵略や核の威嚇に立ち向かわなければならない責務があると唱えた。

 

首相は、日米両国を「未来のグローバル・パートナー」と呼んだ。「米国は独りではない。日本は米国と共にある」「米国は世界のリーダーであれ」との力強いメッセージを発した。

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米連邦議会の上下両院合同会議で演説する岸田首相=11日、ワシントン(共同)

 

演説を聞いた民主、共和両党の米議員たちに、本紙ワシントン支局の坂本一之特派員が演説の感想を聞いてまとめた記事を読んでさらに驚いた。

 

共和党の保守強硬派の反対でウクライナへの追加軍事支援が止まる中、首相はウクライナ支援で米国と連携していく姿勢を示した。「米国民が聞く必要がある」(共和党のステファニー・バイス下院議員)などと、首相をたたえる声が共和党からも出た。

 

演説は「非常にタイムリーで力強かった」(民主党のクリス・クーンズ上院議員)。さらに、「これまで聞いた日本の指導者の演説で最も印象的だった」(民主党のシーラ・ジャクソン・リー下院議員)などと称賛する声が超党派で上がったのだ。

 

米上下両院合同会議で演説する岸田文雄首相。後方右はジョンソン下院議長、同左は上院議長を務めるハリス副大統領=2024年4月11日、米ワシントン(ロイター)

 

もちろん、米国内の政治対立がこれで収まることはない。だが、日本の首相が米国民に対して、世界の未来にとって必要なことを米国政治の中心地で説き、称賛されている事実は、日米関係が新次元に入ったことの証しではないだろうか。

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首相の公式訪米中には、覇権国家への道を邁進(まいしん)する中国を念頭に、日米両国が安全保障でさらなる協力を深化させることに加え、AI(人工知能)や半導体、宇宙分野などの最先端技術開発を共同で進めること、文化や若者の交流拡大など、実に多岐にわたる分野で合意した。日本と米国、フィリピンの初の首脳会談も開かれた。南シナ海などで「危険かつ攻撃的な行動」を続ける中国が「アジア版NATOの始まり」を招いているという湯浅博氏の本紙記事もJFに掲載した。

 

世界がどんどんきな臭くなっていく中、日本は「希望の光」になることが求められている。しかし、岸田首相は、低い支持率のままで生き残れるのか。演説では豹変(ひょうへん)してみせた首相が、憲法改正というまだ誰も達成できていない国家的課題に取り組むのか否か、JFは注視していきたい。

 

筆者:内藤泰朗(JAPAN Forward編集長)

 

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2024年4月22日付産経新聞【JAPAN Forward 日本を発信】を転載しています

 

この記事の英文記事を読む

 

 

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