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ニューヨーク生まれの獺祭は本家を凌駕するか

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ニューヨークで造られたDassai Blueの試飲会イベントで、米国での酒造りについて語る旭酒造の責任者たち。右は、司会を務めた弘兼憲史氏(©JAPAN Forward/渡辺幸裕撮影)

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Dassai Blueは、ニューヨークに完成した旭酒造の工場で出来たお酒の製品名である。このBlueとは、「藍より青く」の青からとったそうだ。精進を重ねて師匠より立派になった弟子を称えた意味の言葉で、日本の獺祭より美味しいDASSAIを作るぞ、という意気込みが感じられるネーミングである。

 

アメリカの米、ニューヨークの水で作ると獺祭はどのような味になるのだろうか―。興味津々の日本人獺祭ファンの熱い要望に応え、特別に米国国内向けDASSAIを一部輸入し、4月下旬から限定発売を開始した。これは在庫がなくなった時点で終売になるそうで、本当に特別限定品である。

 

ニューヨークで造られたDassai Blueのボトル(©JAPAN Forward/渡辺幸裕撮影)

 

今回、アメリカ製と日本製の獺祭飲み比べという貴重な経験をした。参加者たちの評判は大変高く、短期間のうちにこのレベルまで持ってきた蔵関係者の熱意とアメリカ人製造スタッフの努力に敬意を表するという声があった。

 

製造責任者に聞くと、今回飲んだ製品より、現在製造しているものの方がかなり美味しくなっているそうで、味わい面でも今後、増々期待が持てると感じた。

 

旭酒造の桜井社長の話によると、全米の酒類消費量のうち日本酒はたった0.2%という現実がある。獺祭のアメリカでの挑戦は始まったばかりで、ワインや蒸留酒など他の酒と同列になるにはまだ時間を要するであろう。

 

しかし、寿司やラーメンなど日本の食がアメリカ人に受け入れられているのだから、日本の食文化の象徴である「SAKE」もきっかけがあれば、その伸びしろは大きいはずだ。

 

ニューヨークで造られたDassai Blueの試飲会イベントでは、日米で造られた獺祭を飲み比べした(©JAPAN Forward/渡辺幸裕撮影)

 

工場見学後に購入していくお客がとても多いそうで、米国内で酒造りを自分の目で見られる効果はかなり大きい事が分る。

 

また、工場はNYから車で2時間ほどの場所、Hyde Parkにあり、近くには世界最高レベルの料理学校、CIA(The Culinary Institute Of America)がある。同校の教師や学生が見学し、実習する意味とその効果はとてつもなく大きなものである。

 

そのように長期視点で考えている獺祭の挑戦は見逃せない。今後も折に触れてレポートしたい。

 

筆者:渡辺幸裕

 

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