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日朝は「対話局面」、金正恩氏に「勇気ある英断」強く訴え 拉致家族の悲痛な叫び

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拉致被害者の即時帰国を求め、声を上げる参加者ら=5月11日午後、東京都千代田区(酒井真大撮影)

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北朝鮮による拉致被害者の早期救出を求め、東京都内で開催された5月11日の国民大集会では、被害者家族たちが一様に、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記に即時一括帰国への「英断」を求めた。日朝情勢が「対話局面」にあるとの見方が広がる中、家族たちの悲痛な叫びは北に届くか。

 

集会で拉致被害者の早期帰国を訴えた横田早紀江さん(左)と岸田文雄首相=5月11日午後、東京都千代田区(酒井真大撮影)

 

「かわいい女の子がいつもあなたの横にいる。その子が突然消え、どこにいるのかも、どうなったのかも分からないという状況になったとき、あなたはどんな気持ちになるか」。登壇した横田めぐみさん(59)=拉致当時(13)=の母、早紀江さん(88)は、「金ジュエ」という名前とされる正恩氏の実娘の存在を念頭にそう問いかけた。

 

「私たちの子供たちも皆、大事に大事に育てられてきた」。1人の親の立場から、理解と共感を求める言葉を重ねた後、「お返しください!」と叫ぶように挨拶を締めくくった。

 

めぐみさんの弟で家族会代表の拓也さん(55)も、いつもより時間をかけて正恩氏に呼び掛けた。

 

「あなたの代ではなく、過去の代で実行された拉致事件を解決し、日朝両国が明るい未来を描くための鍵を、あなたが持っている。過去の負の遺産をあなたに押し付けようとしている連中の言葉に惑わされないでほしい」。そう訴え、全被害者の即時一括帰国という「勇気ある英断」を重ねて求めた。

 

拓也さんは、集会での発言について「日朝関係は現状、『対話局面』にあるとみており、私たちの今日の言葉も平壌に伝わるだろう。そのことを意識した」と真意を説明した。

 

挨拶をする横田拓也さん(中央)=5月11日午後、東京都千代田区(酒井真大撮影)

 

日朝情勢を巡っては、正恩氏の妹の与正(ヨジョン)党副部長が2月、日朝首脳会談実現の可能性に言及。一方、3月以降は日本側との接触を拒否する意向を示すなど再び強硬姿勢に転じた。

 

拉致問題を「解決済み」とする従前の立場も崩していないが、関係者は「日朝交渉を優位に進めようと揺さぶりをかけているのではないか。日本の動向をこれまで以上に注視している可能性は高い」との見方を示す。

 

早紀江さんはこうも訴えた。「家族の願いはただ1つだ。正恩氏に、その思いがシンプルに届くことを祈りたい」。

 

筆者:中村翔樹、橘川玲奈(産経新聞)

 

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