「富士山ローソン」の目隠し幕が完成 訪日客のマナー違反続出、富士河口湖町が苦渋の選択
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山梨県富士河口湖町は5月21日、コンビニの屋根の上にのっているような富士山を撮影できると訪日客らが多く集まる写真スポットに、マナー違反対策で富士山を見えなくする巨大な黒い幕を設置した。
設置場所は、「ローソン河口湖駅前店」前の道路を挟んだ歩道。午前8時前から建設会社の担当者がポールに通したワイヤに高さ2・5メートル、幅20メートルの幕を取り付け、11時過ぎに工事を終えた。
工事開始前には、外国人観光客が富士山を撮影していた。ブラジルからの観光客グループは、「いろいろ問題があって幕が付けられると聞いた。工事開始前に富士山ローソンを撮影できてよかった」と話す。工事終了後も幕を通してかろうじて富士山は見えるが、写真映えはしない状況だ。
富士山ローソンはSNSで紹介されたことで、約2年前から外国人観光客の人気撮影スポットとなった。特に道を挟んだ向いの歯科医院前からの撮影に人気が集まった。ただ、喫煙やごみのポイ捨て、駐車場への無断駐車や私有地への入り込みなどのマナー違反が相次いだ。横断歩道ではない場所を横断するなどの危険行為も多く、オーバーツーリズム(観光公害)で問題となっていた。
富士河口湖町では、4カ国語の注意看板を設置したり、警備員を配置するなどの対策を講じてきたが、マナー違反は続いていた。そのため「苦渋の決断」(都市整備課担当者)として、目隠し幕の設置に踏み切った。
筆者:平尾孝(産経新聞甲府支局)
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