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【Tokyo Outlook】拉致問題ポッドキャストを配信

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New Podcast Series: Abducted – Four Stories, Four Lives

(新たなポッドキャスト・シリーズ:拉致されて-4人の人生、4つの物語)

 

 

英語ニュース・オピニオンサイト、JAPAN Forward(JF)はこのほど、北朝鮮による拉致問題をテーマにした英語ポッドキャストの新シリーズ「Abducted(拉致されて)」(全4話)の音声配信を始めた。

 

上の英文(日本語訳)は今年4月、その配信開始を知らせるJF記事の見出しである。北朝鮮による日本人拉致に焦点を当てた英語によるインターネット音声番組の配信は初めてだ。内容を少し紹介したい。

 

第1話は、13歳の少女、横田めぐみさんが47年前、中学校のバドミントンクラブの活動を終えて帰宅の途中、新潟の海岸近くで忽然(こつぜん)と姿を消したところから始まる。謎に包まれた失踪事件は、長い時を経て北朝鮮という国家が主導した拉致であることが判明した。物語は、めぐみさんの帰還に向けて国家を相手に今も戦い続ける家族の苦悩や葛藤、怒りが、弟で、拉致被害者家族会代表を務める拓也さんやめぐみさんの友人たちの言葉を通して描かれている。

 

帰国直後に実施された記者会見に緊張した面持ちで臨む蓮池薫さん(左から2人目)、祐木子さん(左端)夫妻。会見には横田滋さん(前列右)、早紀江さん(前列右から2人目)夫妻ら、このとき帰国がかなわなかった被害者の家族も同席した=2002年10月15日(鈴木健児撮影)

 

第2話には、新潟の海岸を女性と2人で散歩中に突如拉致され、24年後に帰還した元拉致被害者、蓮池薫さんが登場。鎖国状態にあり、謎に包まれた独裁国家での恐怖の暮らしや、その後、工作員たちに日本語を教えていた際、複雑な心理状態に陥っていたことなどが明らかにされる。

 

さらに第3話では、拉致問題を最初にスクープした元本紙記者の阿部雅美氏が、どのように取材し記事化したのか、一方でそれが長年、無視された現実や無力感などに言及する。

 

最後の第4話では、北朝鮮に拉致された日本人が何をやっていたのかが明らかにされる。1歳と2歳半の2人の子供たちをおいて突然消息を絶った田口八重子さんは、1987年大韓航空機爆破事件の実行犯に北朝鮮で日本語を教えていた。犯人から母親のことを聞いた飯塚耕一郎さんが思いを語る。

 

国連シンポジウム終了後、取材に応じる横田拓也さん(左)と飯塚耕一郎さん=2023年6月29日午後、東京都千代田区(橘川玲奈撮影)

 

一つの物語は20~25分で完結し、パソコン以外にスマートフォンで、JFのHPか、アップル・ポッドキャストで好きな時間に聞くことができる。英語音声で拉致問題を学びたい日本の若者たちにも、聞いてもらえれば幸いだ。

 

JFのアリエル・ブゼットとアグネス・タンドラー両記者が拉致現場の新潟を訪ね、拉致被害者の家族や関係者たちにインタビューして、事件記者として一つずつ謎解きをしていくという設定になっている。

 

ブゼット記者は「“神隠し”だといわれていた個別の失踪事件がどのように北朝鮮の犯罪につながったのか、北朝鮮はなぜ、日本政府が拉致被害者と認定した17人以外にも約800人もの、ごく普通の日本人を拉致した可能性があるのか、世界に伝えなければならないと思った」と、企画した動機を語った。

 

安全で幸福な社会が一瞬にして破壊される世界の現実を、私たちはいま、ウクライナなどで目の当たりにしている。取材を終えたタンドラー記者は「拉致問題は遠い昔の出来事のようにみえる。しかし、世界が秩序なき時代に突入する中、それは再び、未来の問題となる可能性がある」と警鐘を鳴らしている。

 

JFは、めぐみさんの母親、横田早紀江さんが本紙で連載中の「めぐみへの手紙」のほか、日本の中高生たちが書いた拉致や人権に関する作文を英語で発信している。英BBCなどの海外メディアがすでにそれを引用するなどしている。

 

日本と北朝鮮の当局者が首脳交渉に向けて水面下で動いているとも伝えられている。「生きている間に会いたい」-。そう願う家族の気持ちに寄り添い、拉致問題の完全解決に向け、世界に情報を伝えることで貢献をしていきたい。

 

筆者:内藤泰朗(JAPAN Forward編集長)

 

 

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2024年6月17日付産経新聞【JAPAN Forward 日本を発信】を転載しています

 

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