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[駐日インド大使寄稿]独立78周年によせて 日本との特別な友好関係を振り返る

インドは8月15日、78回目の独立記念日を迎える。シビ・ジョージ駐日インド大使が日印関係を振り返るメッセージを寄せた。

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シビ・ジョージ駐日インド大使(在日インド大使館提供)

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第78回インド共和国独立記念日を慶祝するにあたり、日本の天皇皇后両陛下、日本政府、日本国民の皆様、在日インド邦人、日本のインドの友人の皆様に心からご挨拶申し上げます。

 

独立以降、インドは活発な民主主義、経済、科学進歩、そして世界各国に支えられ、驚異的な成長を続けてきました。今年6月には9億人の有権者が参加する史上最大の民主選挙が行われ、代議政治への決意を新たにしました。

 

インド経済は、ビジネス・スタートアップ環境の整備、対印投資の誘致を通じ、急成長を遂げてきました。『メイク・イン・インディア政策』で製造業を強化し、ITやデジタルといったサービス産業では世界を牽引しています。世界初の月極地着陸を成功させ、国産コロナワクチンの開発に成功するなど、インドは確固たる科学力を確立しました。再生可能エネルギーや電気自動車の普及を促進し、持続可能な発展と気候変動問題に真摯に取り組んでいます。生体認証システム、アーダールと統一決済インターフェイスは、遠隔地での公的サービスの提供を可能にし、国内の金融包摂を劇的に進め、様々な社会指標を改善しました。

 

G20サミットの議長を務めるインドのモディ首相=2023年9月9日、ニューデリー(森浩撮影)

 

インドは2023年にG20サミット議長国を務めるなど、世界的な責任力・発展力を備えた国に成長しています。G20の成果文書には、包摂的な成長、持続可能な発展、多国間協力への決意を盛り込みました。また任期中、グローバルサウスの国々の優先課題を重要議題として取り上げました。

 

共通の価値観と相互尊重に基づき構築された印日特別戦略的グローバル・パートナーシップは10周年という節目の年を迎え、モディ首相と岸田首相との首脳会談等、多層的な交流を通じ更なる関係強化が図られています。経済関係も貿易総額が220億ドルを超過し、進化しています。日本からの対印投資も2027年までに5兆円目標を達成すると見込まれ、インドの経済成長、雇用創出に大いに貢献しています。

 

科学技術分野での連携も進み、AIや量子計算、半導体、バイオ技術の分野で革新的なイノベーションが生まれる素地が整っています。印日デジタルパートナーシップは、新興技術やサイバーセキュリティ、デジタルインフラなどの分野で、月極域探査ミッション(LUPEX)は宇宙部門での、両国の協力可能性を拡大しています。

 

日印首脳会談に臨む岸田首相とモディ首相=6月(首相官邸提供)

 

両国の若者の絆を育む教育・人材育成交流は、両国関係の基盤です。2024年印日観光促進年2.0『ヒマラヤと富士山をつなぐ』 は、これまで培われた交流の成果を引き継ぐものです

インドの『インド太平洋イニシアチブ』と日本の『自由でインド太平洋』というビジョンの相乗効果や、クアッドでの協力に見られるように、インドと日本のビジョンは国際的に著しい収斂を見せています。

インドは独立100周年までの期間、『アムリットカール』での歩みを着実に進めています。強力な経済成長、将来性を示す人口ボーナス、持続可能な発展への決意、気候変動や平和維持活動への取り組みなど、責任ある世界のパートナーとしてのインドの可能性は今後も拡大することでしょう。国際議場では、世界の声に公平に耳を傾け、21世紀の現状を反映する国際機関改革に取り組むよう働きかけています。共通の価値観と相互尊重に根差した永続的な関係を享受しているインドと日本が相互に補完し協力を強化すれば、より平和で栄えた持続可能な世界を構築できるでしょう。

インド独立記念日を慶祝するともに、日本との特別で大切な絆に思いをはせ、日本の皆様、日本政府の揺るぎない友情に感謝申し上げます。今後も印日関係は発展・緊密化を続け、インド太平洋地域の平和、安定そして繁栄、より良い世界の構築に貢献することでしょう。

 

筆者:シビ・ジョージ(駐日インド大使)

 

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