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【主張】コロナワクチン 国産の開発と生産を急げ

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新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が日本でも始まった。米製薬大手ファイザー社製のワクチンである。接種は喜ばしいが、国産ワクチンでないのは残念だ。

 

新型コロナの脅威に加え、今後、全く別の危険なウイルスが襲ってくる恐れもある。国民の命と健康を守るワクチンの開発や生産を海外に頼っている現状に日本は危機感を持つべきだ。

 

欧州連合(EU)は域内生産された新型コロナワクチンの管理を強め、域外への輸出を承認制にした。このため日本はワクチン確保の見通しが定かでなくなった。

 

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ワクチンは戦略物資であるとの認識に立ち、国がもっと開発を支えてほしい。開発には巨額の資金が必要で投資リスクが大きい。参入企業が少ないのも当然だ。

 

日本の研究者からは「日本の開発費は欧米や中国の10分の1以下だ」との声が漏れる。政府は令和2年度の3次にわたる補正予算にコロナワクチン開発・生産支援を盛り込んだ。第1次補正が100億円余り、第2次は国内外で開発されたコロナワクチンの国内生産用の施設、設備に約1400億円、第3次が国内開発にかかる約1200億円である。

 

単純比較はできないものの、米国が昨年5月に打ち出したワクチン開発計画「ワープ・スピード作戦」の予算は1兆円規模だ。欧州や中国も同程度を確保したとされる。米国には、国防の観点からワクチンの新技術を準備してきた蓄積もあった。

 

規模もスピード感も日本とは段違いで、認識が不十分だった厚生労働省は猛省が必要である。

 

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菅義偉首相は2月17日の国会で「国内で治療薬、ワクチンができるよう徹底して支援していくことが必要だと痛感している」と語った。コロナ禍に見舞われて1年以上たつのに、国政の最高責任者がまだそんなことを言わざるを得ない日本でいいのか。パンデミック(世界的大流行)が宣言される前後から総力を挙げるべきだった。

 

世界で開発中の新型コロナワクチンは200以上ともいわれる。日本では、大阪大学発の製薬ベンチャー「アンジェス」や、塩野義製薬などが開発に取り組んでいる。技術はあるのに周回遅れになっているが、全面的なてこ入れで少しでも挽回し、日本や世界の人々にワクチンや治療薬を供給できるようにしてほしい。

 

 

2021年2月20日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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