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新体操に〝マジック〟の力 手品活用で「思い込み」解消

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東京五輪でメダルが期待される新体操団体の日本代表「フェアリー(妖精)ジャパン」を、異色の経歴を持つ人が支えている。精神科医でマジシャンの志村祥瑚さん(29)。代表のメンタルコーチを務め、手品の技を使って、成績がふるわなかったり、悩んだりしている選手が前向きに競技生活を送れるよう導いている。

 

志村祥瑚さん

 

山崎浩子強化本部長の依頼を受け、2017年にメンタルコーチに就任した。指南の肝となるのは、マジックでも使われる「思い込み」だ。

 

「マジックは思い込みを使って不思議に見せている。悩んでいる人は、自分の思い込みで、視野を狭めてしまっている」

 

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勝負の世界にいる選手は、レギュラーになれなかったり、メダルがとれなかったりした際に「自分が劣っている」と思いがちだ。だが、志村さんは、「それも思い込みでは?」と伝える。

 

 

フェアリージャパンには、3カ月に1回のペースで指導。半日にわたってマジックを見せ、人がいかに思い込みに左右される生き物なのかを体感させる。その上で、「結果を重視する『ゴールフォーカス思考』ではなく、素晴らしい演技をするといった自分の価値に沿う行動をする『バリューアクション思考』が、成功への道につながる」と教えている。

 

ミスを恐れて縮こまっていた選手たちは、次第にのびのびと演技ができるようになり、2019年世界選手権での44年ぶり団体総合銀メダルにつながった。

 

新型コロナウイルス禍の五輪に不安の声もある中、うまく気持ちを切り替えられない選手はどのようにしたらいいのか。志村さんは、「アスリートは、良い結果を出すことが仕事じゃなくて、スポーツを通して勇気を与えることが目的」とアドバイスする。それでも不安が消えないときは、翌日の起床から就寝までの行動予定表を書くことや、悩みを歌にすることなどを勧めている。

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約1カ月後に迫った東京五輪に臨むフェアリージャパンへ「楽しんでやってほしい。五輪がなくなってしまうのではないかという不安や恐怖もあるかもしれないが、自分の踊りという意義のあるものを追求し続けてほしい」とエールを送った。

 

筆者:久保まりな(産経新聞運動部)

 

 

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志村祥瑚(しむら・しょうご) 慶大医学部卒。精神科医でマジシャン。一般診療を行う傍ら、フェアリージャパンやカヌー日本代表選手のメンタルコーチも務める。近著に「人生のタネ明かし~成果を出す人に共通する心の秘密」(講談社)がある。

 

 

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